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なかよし学園プロジェクトが絵本作家の鈴木まもる氏と伊豆で平和対話を実施

千葉県松戸市の特定非営利活動法人なかよし学園プロジェクトは2026年10月3日、静岡県伊豆地域にある絵本作家・画家・鳥の巣研究家の鈴木まもる氏のアトリエを訪問した。中村雄一代表および中村里英事務局長が参加し、平和対話「BOOKS FOR PEACE DIALOGUE 2026 ― 絵本でつくる平和の砦」を実施した。ウクライナでの活動報告のほか、絵本を通じた平和教育の可能性について意見が交わされた。

東日本大震災の物語がウクライナを経て伊豆へ

特定非営利活動法人なかよし学園プロジェクトは2026年9月、ウクライナのキーウとリビウで「なかよし鉄道・ウクライナ未来のまちづくりプロジェクト」を実施した。日本全国から集まったNゲージなどの模型や創作教材を活用し、子どもたちが戦後のまちづくりを考える平和教育を行った。

その授業の中で紹介された作品の一つが、実話絵本『はしれ ディーゼルきかんしゃデーデ』(すとうあさえ・文/鈴木まもる・絵/童心社)だった。同作は、2011年3月11日の東日本大震災後に寸断された東北へ燃料を届けるために走ったDD51形ディーゼル機関車の実話をもとに描かれている。授業を監修した柏市立名戸ケ谷小学校・津久井智洋校長が9月2日、キーウのMINILAND.UAと日本をオンラインで結び、画面越しに同作を紹介した。現地ではNゲージやミニ四駆などの模型を囲み、子どもや保護者、退役軍人らがともに学ぶ授業も行われた。

帰国後、中村雄一代表と中村里英事務局長は、現地での反響を絵の制作者本人に伝えるため、伊豆に暮らす鈴木氏のアトリエを訪問した。対談の途中には津久井校長もオンラインで参加し、鈴木氏と交流した。

絵本を通じて戦争と平和に向き合う対話

座談会では、鈴木氏が文・絵を手がけた『戦争をやめた人たち 1914年のクリスマス休戦』についても語り合われた。第一次世界大戦中の1914年に敵対する兵士たちがクリスマスイブに一時的に戦闘を止めた実話を描いた作品で、鈴木氏が同作のあとがきの絵を制作していた2022年2月にロシアによるウクライナへの全面侵攻が始まった背景がある。

空襲警報下のウクライナで授業を行ったなかよし学園と鈴木氏は、ウクライナやシリアなど紛争地域での活動を踏まえ、教育や絵本が果たす役割について対話を深めた。また、地球上のつながりを描いた『てをつなぐ』や、2026年8月に刊行された『ぼくの地球絵日記』なども話題に上った。

竹下文子氏の遺作を含む絵本の寄贈

対話のなかで中村雄一代表がなかよし学園の校歌「LOVE OTHERS」を歌った際、鈴木氏は共通する世界観を感じたとして絵本『たんぽぽてんし』を手渡した。同作は、鈴木氏の妻で2026年3月10日に69歳で亡くなった作家・絵本作家の竹下文子氏が遺した最後の絵本であり、逝去の翌日である3月11日に刊行された。

鈴木氏と竹下氏は『せんろはつづく』をはじめ70冊以上の作品を共作しており、当日は竹下氏が文を手がけた『なまえのないねこ』や『ここにいるよ』なども寄贈された。

国際的な平和教育の潮流と今後の展開

UNESCOは1945年の憲章以来、平和構築における教育の役割を掲げており、2023年には加盟194か国が「平和、人権及び持続可能な開発のための教育に関する勧告」を採択している。ミャンマーや2026年のフィリピンなど、世界各地でも子どもの文学や絵本を平和教育に活用する取り組みが進められている。

中村雄一代表は「デーデが日本からウクライナへ走った次は、鈴木さんと竹下さんの絵本を世界へ届け、授業に活用したい」としている。

なかよし学園は今後、寄贈された絵本をウクライナなどの世界各地や日本国内での学びに活用する予定だ。鈴木氏との連携を進め、出版社や著作権者との必要な調整を前提に、絵本の多言語化や教材化、読み聞かせと対話を組み合わせた平和教育プログラムの開発を検討していく方針だ。

実施概要

  • 名称:BOOKS FOR PEACE DIALOGUE 2026 ― 絵本でつくる平和の砦
  • 実施日:2026年10月3日
  • 場所:静岡県伊豆地域・鈴木まもる氏アトリエ
  • 参加:鈴木まもる氏/なかよし学園プロジェクト代表 中村雄一/事務局長 中村里英
  • オンライン参加:柏市立名戸ケ谷小学校 校長 津久井智洋氏
  • 当日寄贈された主な絵本:『戦争をやめた人たち 1914年のクリスマス休戦』『てをつなぐ』『ぼくの地球絵日記』『たんぽぽてんし』『なまえのないねこ』『ここにいるよ』

本記事は特定非営利活動法人なかよし学園プロジェクトの発表をもとに作成。

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