大阪電気通信大学「物理学1・演習」でAI講師を活用、一人ひとり異なる問題で自ら解く学びを支援
大阪電気通信大学が物理演習でAI講師を活用、学習過程の蓄積と個別支援を実践
CATEGORY: テクノロジー
株式会社DOUは、大阪電気通信大学が2026年度前期の工学部電気電子工学科1年生向け授業「物理学1・演習」において実践した「OECU AI講師」の取り組みを発表しました。
学生ごとに異なる演習問題を提示し、つまずいた際にはAI講師に質問できる環境を構築し、教員やティーチングアシスタント(TA)による対面支援と組み合わせて実施されました。学生が問題に向き合う過程を学習履歴として蓄積しており、今後の授業設計に生かすための振り返りが進められています。

学生ごとに異なる演習問題とAIによる質問対応を導入

今回の取り組みでは、従来の共通問題による演習から、学生一人ひとりに異なる問題を提示する形式へと変更されました。学生は計算過程を撮影して提出したり、解き方に迷った点をAI講師に質問したりすることが可能となっています。AIとの対話に加え、教員やTAによる対面支援も併用して演習が行われました。
また、提出された解答だけでなく、AI講師とのやり取りや学習の過程を履歴として蓄積しています。担当教員の溝井 浩教授は、学生がどの概念でつまずいたかを把握し、翌年度以降のシラバスや授業設計を見直す材料にしたいと考えています。
学生アンケートでは「何度でも聞き直せる」が最多の評価
実施された学生アンケート(回答数61人、設問により回答者数は異なる)によると、AI講師での学習頻度(61人回答)は「週に1回程度」が48人(78.7%)、「週に数回」が9人(14.8%)でした。
便利だと感じた点(複数回答、60人回答)については、以下の結果となっています。
- 「何度でも聞き直せる」:41人(68.3%)
- 「24時間いつでも質問できる」:36人(60.0%)
- 「複雑な概念を簡潔に説明してくれる」:31人(51.7%)
個別指導の実現と今後の授業改善への展開
担当の溝井 浩教授は、個別指導の教育効果が高いとしつつも、教員の負担やコストの面から全学生への十分な個別指導は困難だったと指摘しています。その上で「AIに任せられる部分はAIに任せることで、教員は学生の表情や考え方を見ながら、本当に人が関わるべきところに、より多くの時間を使えるようになると考えています」とコメントしています。
文部科学省の「教学マネジメント指針」では学修成果や教育成果の把握と可視化が重視されていますが、従来の試験や提出物では試行錯誤の過程を継続して把握しにくい課題がありました。今後は蓄積された学習履歴をもとに、学生の成長を客観的に捉える手法へと発展させる方針です。
大阪電気通信大学では、物理学での活用範囲の拡大や英語の授業への展開も検討しています。DOUは同大学と取り組みを進め、その成果と手法を他大学にも共有していくとしています。
株式会社DOU 会社概要
- 本社所在地:〒150-0042 東京都渋谷区宇田川町15-1 渋谷パルコDGビル
- 代表取締役社長:石部 達也
- 設立年月日:2018年8月1日
- 資本金:5,000万円
- 公式サイト:https://dou.id
- 主な事業内容:学生の学びや活動の記録をもとにしたAI教育支援サービスの開発・提供、デジタル証明書の発行支援事業
本記事は株式会社DOUの発表をもとに作成しました。

ビジネスパーソンの課題解決と納得感にこだわるDellows News編集部。キャリア論からAI、健康法まで幅広い分野に対応し、複雑なテーマでも平易な言葉で丁寧に解説。読者が「明日から使える」知識やヒントを得られるよう、具体的な事例・データ・専門家の見解を交えて執筆。情報を整理し、納得感ある記事づくりを心がけています。



