錦城護謨株式会社とPLAYWORKS株式会社が共同開発した視覚障害者歩行テープ「ココテープ」が2024年5月5日に正式発売された。

「ココテープ」は、視覚障害者の自主的な移動をサポートするために開発された製品だ。2023年末に実施したクラウドファンディングでは279％を達成し、早期販売を希望する声に応えての発売となった。

点字ブロックは視覚障害者の移動を支援する社会インフラだが、敷設には大きな手間やコストがかかり、必要とする場所に十分に敷設されているとは言えない現状がある。そこで、視覚障害者が気軽に必要な場所に必要な時だけ使える「ココテープ」が企画・開発された。

「ココテープ」は幅48mmの塩化ビニル製の屋内専用テープで、両側面には高さ6mmの三角形の突起がある。白杖や足裏で触れた時に床面との質感の違いや突起から、存在や方向性が感じ取られ、視覚障害者が歩行する際のガイドになる。

長い距離で使用できる3mロールと、ポイントで使用できる25cmバーの2種類があり、ニーズや状況に合わせて自由にカスタマイズして使用できる。

「ココテープ」は、視覚障害者の自主的な移動をサポートすることで、生活の質の向上および社会参画を促進する。自宅や会社だけでなく、新幹線やホテル、スタジアムや展覧会など、視覚障害者が行きたい所へお出かけできる社会の実現を目指している。

開発には多くの視覚障害者や歩行訓練士が協力し、実際に体験した視覚障害当事者からは「温泉など白杖が使えないところで使いたい」「サッカーを観戦する時に使いたい」「オフィスで移動する時、ハンズフリーで歩ける」など、様々な場面での活用に期待する声が寄せられている。

「ココテープ」は、日本点字図書館のわくわく用具ショップや日本ライトハウス情報文化センターのエンジョイ！グッズサロンなどで販売される。今後、販売店は順次追加される予定だ。