みずほ証券、HPE Cray XD2000を国内金融機関で初導入へ
みずほ証券株式会社と日本ヒューレット・パッカード合同会社は、みずほ証券が液冷データセンターを新設し、直接液冷(Direct Liquid Cooling、以下「DLC」)方式を採用した「HPE Cray XD2000」を導入すると発表した。HPEが保有する国内のHPE製直接液冷サーバーの導入実績データを調査・比較した2026年9月時点で、国内の金融機関におけるHPE製直接液冷サーバーの導入事例としては初となる。今秋から液冷設備やシステム構築、稼働評価などを実施し、2027年4月以降に本番稼働する予定となっている。
膨大な計算需要に対応する次世代基盤の導入
みずほ証券のグローバルマーケッツ部門では、公社債、株式、デリバティブなどの多様な金融商品・サービスを国内外に提供している。デリバティブ評価や市場リスク、取引に伴う信用リスクの計量に向けたシミュレーションを実行しており、1日あたりの計算件数は3.6億件超と年々増加している。
みずほ証券ではビジネス規模の拡大に伴い、システムリソースの拡張と計算性能を安定的に引き出す基盤強化が必要となったことから、次世代の金融システムを見据えて液冷システム「HPE Cray XD2000」の導入を決定した。
直接液冷方式の採用と冷却・計算性能の向上
みずほ証券は、現在の冷却要件への対応と将来のシステム拡張に備えるため、液冷対応のデータセンターを新たに構築する。密度最適化されたスケールアウト型コンピュートシステムである「HPE Cray XD2000」は、発熱量の大きい主要コンポーネントから熱を直接除去するDLC方式を採用している。
空冷方式と比較して、キロワットあたり最大20%の性能向上と15%の消費電力削減を実現する冷却機能により、高密度型サーバーの安定稼働を実現するとしている。この数値は、HPEが2023年4月に実施した内部性能テストによる推定値に基づいている。SPEChpc™2021、small、MPI + OpenMP、64ランク、14スレッドのベンチマークにおいて、空冷システムは1kW当たり6.61、DLCシステムは1kW当たり7.98の性能を記録して20.7%の差が生じ、シャーシ電力は空冷システムの4539ワットに対しDLCシステムは3862ワットで14.9%の差となった。また、新システムでは現行のHPE Apollo2000およびHPE ProLiantを組み合わせたシステムとの独自比較において、サーバーノードあたり現行の1.6倍の性能を見込んでいる。
監視体制とプライベートAI基盤を見据えた段階的展開
導入後の運用面では、HPE Servicesがシステムの監視と保守を一貫して支援する。DLCシステムと電源システムの稼働状況をリアルタイムで可視化し、冷却液の漏れを検知した際に自動通報する監視機能とサポートにより、みずほ証券にとって初となるDLCシステムの安定運用を支える。
システムは第1期として8サーバーノードを導入し、本番環境で効果を確認しながらサーバーとラックを順次拡張する計画だ。さらに、本システムでDLCの有効性を実証した上で、将来的にはプライベートAI基盤向けGPUサーバーへの展開も検討している。
金融シミュレーション高度化に向けた両社の展望
みずほ証券株式会社で執行役員 CIO 兼 グローバルITヘッド 兼 CPrO 兼 グローバルオペレーションヘッドを務める宇都宮 研は、「今回の取り組みを通じて、高度化・複雑化する金融シミュレーションへの対応力を高め、お客さまに提供する価値のさらなる向上につなげてまいります」とコメントしている。
また、日本ヒューレット・パッカード合同会社の代表執行役員社長である望月 弘一は、50年以上にわたり培ってきた液冷技術とHPCの知見を活かし、みずほ証券の事業成長と顧客への価値提供向上に貢献していく方針を示している。
なお、本件に関する事例の詳細はウェブサイト(https://www.hpe.com/psnow/doc/a00163539jpn)でも公開されている。
本記事はみずほ証券株式会社および日本ヒューレット・パッカード合同会社の発表をもとに作成。
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