東京メトロと三菱電機、東西線05系に世界初の主回路システムを導入へ
東京地下鉄株式会社(東京都中央区、代表取締役社長:小坂 彰洋、以下「東京メトロ」)と三菱電機株式会社(東京都千代田区、執行役社長:漆間 啓、以下「三菱電機」)は、鉄道用「同期リラクタンスモータシステム: SynTRACS®」と「超小型VVVFインバータ装置」を組み合わせた新たな主回路システムを東西線05系車両に導入すると発表した。両システムを組み合わせた主回路システムの導入は世界初となる。東西線05系への導入車両は、2026年12月に営業運転を開始する予定だ。

新システムの特徴と省エネ効果
「同期リラクタンスモータシステム:SynTRACS」は、同期リラクタンスモータとそれを制御するインバータで構成されている。東京メトロと三菱電機が共同で、日比谷線13000系車両において世界で初めて実証試験、営業線長期評価試験、営業運用を行った。
両社は、同システムが一般的な誘導モータシステムと比べて約18%の高い省エネ効果を有することを定量的に確認しており、今回の東西線05系車両への導入により約20~30%の省エネ効果を見込んでいる。

採用される同期リラクタンスモータは、回転子鉄心内の磁気抵抗差によって生じる磁極との相互作用で発生するリラクタンストルクで駆動する。鉄道車両に一般的に採用されている誘導モータと比較して回転子の発熱損失が小さく、効率や質量特性に優れる。今回採用したモータは導入前と比較し、重量を約9%低減しながら出力を約22%増加させている。
最新素子の適用でVVVFインバータ装置を超小型化
同期モータを駆動するVVVFインバータ装置は大型化しやすい課題があったが、最新のSiC素子(SiCパワー半導体素子)や高性能CPUを適用することで超小型化を実現した。
最新のSiCパワー半導体素子の採用によりスイッチングロスを低減し、発熱抑制による冷却器の小型化を図ったほか、高性能CPUを活用した高集積制御基板により装置構成を刷新した。これにより、導入前の従来のVVVFインバータ装置と比べ、体積を約81%、重量を約43%低減した。既存車両のリニューアル工事における導入性を向上させ、フレキシブルな床下機器配置が可能となったとしている。
東西線05系への搭載と今後の計画
東西線05系車両(10両編成)への機器搭載内容は以下の通りとなる。
- 同期リラクタンスモータ:計16台/編成(定格出力 250kW、モータ重量 551kg/台)
- 超小型VVVFインバータ装置:計16台/編成(SiCパワー半導体素子適用 重量 140kg/台)

東西線05系の同システム導入車両は2026年12月に営業運転を開始する予定で、2030年度までに合計9編成の導入を予定している。両社は引き続き省エネ化とCO₂排出量削減を推進し、最先端技術の開発・採用を通じて鉄道業界全体の発展と環境負荷低減に取り組む方針を示している。
本記事は東京地下鉄株式会社および三菱電機株式会社の発表をもとに作成。(※1 2022年11月10日リリース https://www.tokyometro.jp/news/2022/213836.html)
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