株式会社BEAM Technologies、NEDOのSBIR推進プログラムに採択
理化学研究所発の宇宙軌道上製造スタートアップである株式会社BEAM Technologiesは、国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)が実施する「SBIR推進プログラム」(一気通貫型・フェーズ1)に採択された。

採択された研究開発テーマは「宇宙での種結晶成長と地上バルク製造による高品質化合物半導体基板の供給技術の確立」である。宇宙の微小重力環境で作製した種結晶をもとに、地上で大口径の結晶を量産する製造プロセスの確立に取り組む。
採択事業の概要とSBIR推進プログラム
今回の採択は、経済産業省をニーズ元とする研究開発課題「民間宇宙活動で推進する産業発展及び国際競争力強化に資する技術開発」において行われた。事業形態はNEDO負担100%で、事業期間は原則1年以内とされている。
「SBIR推進プログラム」は、科学技術・イノベーション創出の活性化に関する法律に基づく「指定補助金等の交付等に関する指針」(日本版SBIR制度)のもと、社会課題の解決に貢献する研究開発型スタートアップ等の研究開発を促進し、成果の円滑な社会実装につなげることを目的とした事業である。同社が採択された「一気通貫型」は、概念実証(POC)・実現可能性調査(FS)を行うフェーズ1と、実用化に向けた研究開発を行うフェーズ2で構成されており、フェーズ1の成果をステージゲート審査で評価した上で、通過した事業がフェーズ2へ進む仕組みとなっている。
研究開発の背景と技術的アプローチ
赤外線センシングや高周波通信をはじめとする先端デバイスの性能は、土台となる化合物半導体基板の結晶品質に左右されるため、高性能化や高信頼化には結晶欠陥(転位)の少ない基板が求められている。しかし、地上でのバルク結晶成長では重力に起因する熱対流や成分の偏析が結晶欠陥の要因となり、低減には限界がある。さらに、高品質な化合物半導体基板は海外製品への依存度が高く、安定調達の観点から国内供給技術の確立が課題となっていた。

同社は本研究開発において、宇宙の微小重力環境で高品質な種結晶を作製し、その種結晶を用いて地上でバルク結晶(インゴット)を成長させる二段階の製造プロセスにより、高品質な化合物半導体基板を供給する技術の確立を目指す。種結晶の品質を地上の量産工程に引き継ぐことで、宇宙での製造量に依存せずに基板を供給できる体制を整える方針だ。
フェーズ1における概念実証(POC)と実現可能性調査(FS)としては、以下の3点に取り組む。
- 微小重力環境で作製した種結晶の評価手法の確立
- 地上でのバルク成長プロセスへの展開可能性の検証
- 供給体制と事業性の検討
今後の展開
同社はフェーズ1の成果をもとに、ステージゲート審査を経て実用化に向けた研究開発を行うフェーズ2への移行を目指す。宇宙と地上を組み合わせた製造プロセスを確立し、先端デバイス産業に向けた高品質な化合物半導体基板の国内供給体制の構築に貢献していく方針を示している。なお、これらの計画は現時点のものであり、研究開発の結果によって変わる可能性があるとしている。
株式会社BEAM Technologiesの概要
株式会社BEAM Technologiesは、独自のバンドエンジニアリング技術を軸に、化合物半導体AlGaN(窒化アルミニウムガリウム)において世界最高水準の出力を実現してきた理化学研究所発のスタートアップである。現在はその結晶育成技術を応用し、地球の重力下では製造が困難な多様な化合物半導体の超高品質結晶を、宇宙の微小重力環境で製造するプラットフォームの構築に取り組んでいる。代表取締役は飯村 一樹氏が務め、本社は東京都千代田区二番町9番地3に置かれている。
- 会社名:株式会社BEAM Technologies
- 代表取締役:飯村 一樹
- 所在地:東京都千代田区二番町9番地3
- 設立:2022年3月
- 事業内容:微小重力を活用した半導体製造プラットフォーム事業
- URL:https://beam-tec.co.jp/
本記事は株式会社BEAM Technologiesの発表をもとに作成。
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