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EQUESとスカパーJSAT、静止軌道衛星運用の高度化に向けAI活用のPoC実施

株式会社EQUESとスカパーJSAT株式会社は、静止軌道衛星の運用業務における高度化や効率化に向け、AI活用の可能性を検証する概念実証(PoC)を共同で実施しました。スカパーJSATが40年以上にわたり培ってきた衛星運用の知見と、EQUESのAI技術を組み合わせ、衛星運用業務の一部を対象にAIによる判断支援の方向性を確認しています。

実証実験の背景と課題

宇宙産業では民間企業や宇宙スタートアップの参入が相次ぎ、衛星を活用したビジネスが急速に拡大しています。それに伴って衛星の運用や管制を担う地上設備への需要が高まっており、多数の衛星を安定的かつ効率的に運用する体制の重要性が増しています。

スカパーJSATは長年の衛星運用経験を生かし、自社のみならず他社衛星の運用支援や地上局サービスの提供を行っており、パートナーとの協業を通じて国内外で地上局ネットワークの拡充を進めています。今後の事業拡大に伴い運用対象衛星のさらなる増加が見込まれる中、安全性と信頼性を維持しつつ現場の負荷を抑えた効率的な業務体制の構築が課題となっていました。

一方、EQUESは東京大学松尾研発のAIスタートアップとして、説明可能性や信頼性が求められる領域での技術実装に取り組んでいます。こうした背景から、専門的な意思決定を要する衛星運用業務において、AIを活用する新たな手法の実用性を探るために今回の共同検証に至りました。

軌道保持業務におけるAI活用の検証

今回の実証では、静止軌道衛星の軌道保持に関わる業務を対象としました。衛星の軌道保持においては、過去の事例を参照するだけでなく、マヌーバ(衛星の位置を所定の範囲に維持するために、推進装置を使用して行う制御操作)の実施後に軌道がどう変化するかを予測し、運用条件を満たしているかを慎重に判断する必要があります。

現場へのAI導入には、過去データの分析に加え、物理法則に基づいた軌道変化の予測や運用上の制約を踏まえた軌道制御の実施案の生成、さらにその妥当性を担当者が適切に評価できる仕組みが求められます。検証では、AIが過去の運用データや知見に基づいて必要な情報を提示し、人間が最終的な判断を行う運用支援のあり方を検証しました。その結果、AIによる情報提示と人間による判断を組み合わせた運用支援の可能性と、実運用への適用に向けた課題を確認したとしています。

両社担当者の見解と今後の展開

EQUESの代表取締役を務める岸 尚希は「宇宙インフラのように高い信頼性が求められる領域は、AIの価値が真に問われる領域だと考えています」とした上で、今後も社会インフラの現場への価値提供に取り組む意向を示しました。

また、スカパーJSATで宇宙事業部門 宇宙技術本部 衛星運用部のプロジェクトマネージャーを務める眞野 恭多は、衛星運用の現場における新たな可能性の広がりに触れ、今後も技術パートナーとの連携を通じて宇宙インフラ運用の効率化と高度化に取り組む方針を示しています。両社は今回得られた知見を踏まえ、衛星運用業務におけるAI活用の可能性について引き続き検討を進めるとしています。

各社概要

株式会社EQUES

  • 設立:2022年2月
  • 代表者:代表取締役 岸 尚希
  • 所在地(本社):東京都文京区本郷3-30-10 本郷K&Kビル2F
  • 事業内容:伴走型AI開発/製薬AI事業(QAI Generator/QAI Checker)/エネルギーAI事業/AIコンサルティング/生成AI・LLM・AIエージェント開発
  • 公式サイト:https://eques.co.jp

スカパーJSAT株式会社

  • 設立日:2007年4月2日
  • 代表者:代表取締役 執行役員社長 米倉 英一
  • 資本金:10,172百万円
  • 本社所在地:東京都港区赤坂1-8-1
  • 事業内容:宇宙事業(静止軌道衛星による衛星通信、低軌道地球観測衛星による画像データビジネスなど)、メディア事業(「スカパー!」の放送・配信事業、光アライアンス事業など)

本記事は株式会社EQUESおよびスカパーJSAT株式会社の発表をもとに作成しています。

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