ACSL社ドローンの型式認証に向け、アンリツらが試験環境を提供
アンリツ株式会社とEMCジャパン社は、ACSL社のドローン第一種型式認証取得に向けて、耐電磁干渉試験系の確立に貢献した。この試験では、ドローンに影響を与える強力な電磁波を発生させる「高強度放射電界(HIRF)」環境を提供した。
ドローンの第一種型式認証は、立入禁止措置を講じることなく特定飛行をするために必要な認証制度だ。特定飛行とは、空港周辺やイベント会場の上空、高度150m以上の飛行、緊急用務空域、人口集中地区の上空での飛行、夜間飛行、目視外飛行、人や建物から30m未満の飛行、危険物の輸送や投下などを指す。
型式認証取得に必要な検査要領は、国土交通省のサーキュラーNo.8-001に規定されている。サーキュラーとは、航空機や装備品の安全基準や環境基準に関する指針を示す文書のこと。ドローンが型式認証を取得するには、実運用時に想定される環境下での評価が必要となる。
今回の評価対象となるACSL社の機体では、機体状態や搭載カメラ映像のデータ送受信にLTE通信が採用されている。EMCジャパン社のテストサイトで、アンリツのシグナリングテスタ MD8475Bを使用することで、ドローンに高出力妨害波を印加した条件下でのLTE通信状態を確認することが可能となった。