NEDOが製造業のスマート化を促進する「スマートマニュファクチャリング構築ガイドライン」を公開
国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)は2024年6月28日、製造事業者が直面する経営課題の解決に向けて、デジタル技術を用いたものづくりプロセス全体の変革手法をまとめた「スマートマニュファクチャリング構築ガイドライン」を公開した。
このガイドラインは、NEDOが2021年度から実施している「5G等の活用による製造業のダイナミック・ケイパビリティ強化に向けた研究開発事業」の一環として作成されたもの。製造事業者の実態に即した変革を進めるための考え方や目指す姿を具体的に示した「7つのリファレンス」を提示している。
ガイドラインでは、経営・業務変革課題の特定を起点としてデジタルソリューションを適用・導入する企画・構想設計段階に重点を置いている。製造事業者が自社に合ったスマート化の道筋を描くための手引きとして活用できるよう工夫されている。
NEDOでは、新型コロナウイルス感染症の世界的流行により国内製造事業者の多くがサプライチェーン寸断リスクにさらされたことを受け、製造現場において5G等の無線通信技術の活用により、柔軟・迅速な組み換えや制御が可能な生産ラインなどの構築を目指している。これにより、不測の事態でも柔軟・迅速に対応できるダイナミック・ケイパビリティの強化を図る。
ガイドラインは経済産業省の「DXガイドライン」を充実させ、オペレーション領域の変革手法に新たなスタンダードを提起するものだ。実際にスマート化プロジェクトのリーダー役を担う管理職やプロジェクトオーナーの経営層、また各部門の実務リーダーにとっての手引きとして広く活用されることで、スマートマニュファクチャリングの促進につながることが期待される。