エムニと中部鋼鈑、鋼板生産計画を自動立案するAI開発のPoCを開始
株式会社エムニと中部鋼鈑株式会社は、鋼板プロセスの生産計画をAIが自動で立案する「生産計画 AI」の開発に向けたPoCを開始しました。熟練者の経験や判断基準を生成AIによって読み解き、膨大な組み合わせの中から最適な計画を自動立案する技術の開発を目指します。中部鋼鈑が掲げる「24中期経営計画」の達成に向け、生産計画の立案をAIで高度化・効率化することで製造および販売の体制強化を図ります。

熟練者の経験に依存する生産計画立案の課題
国内唯一の厚板専業メーカーである中部鋼鈑の鋼板プロセスでは、小ロット・多品種の注文を一つのラインで製造しています。そのため生産計画の立案にあたっては、注文を製造単位にまとめ直し、電気炉で一度に溶解する量や板に延ばす圧延の順序を決定する必要があります。
どの注文をまとめ、どの順序で製造するかという組み合わせは膨大であり、最適な組み合わせの検討には時間と工数がかかります。さらに、納期や段取り替えといった相反しうる条件を両立させるため、複数のマニュアルや熟練者の経験に基づく判断が不可欠でした。中部鋼鈑が2024 年 5 月に公表した中期経営計画において「鉄鋼製品80万トンの販売」を掲げ、増産体制を構築するなかで、こうした計画立案の課題への対応が急務となっていました。
PoCにおける3つの取り組み
今回のPoCでは、既存のマニュアルや従来システムから熟練者の判断基準を生成AIが読み解き、整理したルールを「生産計画 AI」に組み込みます。AIによる計画立案に加え、現場の各種条件を満たしているかをチェックする仕組みも備える点が特徴で、以下の3つの取り組みを並行して進めます。
- 従来システムの調査
生成 AIを活用して従来の生産計画システムに組み込まれている条件を読み解き、判断基準として言語化することで、培われてきた知見をAIによるチェックや自動立案に活かします。
- AI による計画チェック機能の高度化
構築済みの計画チェック機能に、生成 AIでマニュアルから整理したルールを追加し、対象を電気炉の計画から圧延工程の計画へ拡大します。
- 生産計画 AI による自動立案の検証
納期や段取り替えなどの条件の重み付けをAIが実データから学習し、最適な計画候補を自動立案します。生産管理担当者からのフィードバックをAIに反映するサイクルを繰り返すとともに、チェック機能と連動させて実務で使える精度を目指します。
安定した計画品質の実現と手戻り低減へ
今後は、PoCを通じて「生産計画 AI」の有効性を検証し、改善を重ねながら生産計画業務への適用を進める方針です。AIによる計画候補の立案により、計画立案業務全体の時間や負担の削減だけでなく、担当者によらず安定した計画品質の実現を目指します。また、熟練者の判断基準を組織の資産として整理し、AIによる自動チェックで計画段階の不整合を検出することで、手戻りの低減にもつなげるとしています。
参画企業の概要
- 中部鋼鈑株式会社
- 代表取締役社長:金子大剛
- 本社・製造所:愛知県名古屋市中川区小碓通五丁目1番地
- 設立:1950年2月15日
- 事業内容:厚板鋼板の製造販売、鋼片の製造販売、鋼板の切断加工
- 上場市場:東京証券取引所プライム市場、名古屋証券取引所プレミア市場
- 株式会社エムニ
- 代表取締役CEO:下野祐太
- 本社/東京オフィス:東京都千代田区東神田1丁目11-5 石田ビル東神田3階
- 事業内容:製造業特化型オーダーメイドAIの開発
本記事は株式会社エムニの発表をもとに作成しました。
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