プラン・インターナショナル、気候危機による女の子の権利侵害に関する報告書を発表
国際NGOプラン・インターナショナルは、10月11日の「国際ガールズ・デー」にあわせ、「世界ガールズ・レポート2026『女の子の未来予報を変えよう』」を発表しました。同レポートでは、約50カ国の30年以上にわたる気候と保健のデータ分析や途上国5カ国での調査をもとに、気候危機が教育や健康、安全、将来の選択肢に及ぼす影響を明らかにしています。
気候災害がもたらす教育の中断と権利侵害の実態
バングラデシュ、ケニア、ペルー、セネガル、ジンバブエの5カ国で15~24歳の女の子や若い女性5,000人を対象としたアンケートと139人への聞き取りを実施したところ、気候災害によって教育や保健サービスへのアクセスが妨げられている状況が浮き彫りになりました。
調査結果によると、10人に1人の女の子が気候災害により「意図しない妊娠」を経験し、3人に1人が気候災害後に「児童婚が増えた」と回答しています。また、約3割が気候災害後に「女性や女の子への暴力が増えた」と感じており、4人に3人が保健サービスへのアクセスが困難になったと回答しました。マイノリティの女の子は、他の女の子と比べてこれらのリスクが著しく高いとされています。背景には、気候危機によって学校教育が中断され、学びの場であると同時に暴力や搾取から身を守る保護機能が失われる問題が指摘されています。
プラン・インターナショナルCEOのリーナ・ゲラーニは、多国間の気候資金のうち保健分野に充てられている割合がわずか0.5%にとどまる現状などに触れ、女の子たちの権利を守るための緊急の行動を呼びかけています。
進行する干ばつと児童婚や性暴力のリスク
生活が破綻して保護システムや支援ネットワークが機能しなくなる中、食料や生活必需品、わずかな収入を得るために性行為を強いられるケースや、過密な緊急避難所での性暴力被害のリスクが報告されています。
また、52カ国の30年にわたるデータ分析により、干ばつが早すぎる強制された結婚の増加と最も一貫して関連する気候災害要因であることが示されました。農作物の収穫や家畜などの収入源が長期にわたり失われる過程で、娘を結婚させることが家庭の生計維持の手段になってしまう実態が明らかになっています。
エルニーニョ現象の影響も重なり各地で被害の拡大が懸念される中、プラン・インターナショナルは近く開催されるCOP31に向けて、各国政府やドナーに対し以下の行動を求めています。
- 女の子が学校に通い続け、中断されることなく学べるようにすること
- 気候危機への緊急対応の一環として、SRHR(性と生殖に関する健康と権利)のための資金を確保すること
- 緊急対応の一環として、SRHRに関する情報とサービスを利用できる状態に保つこと
- 児童婚、望まない妊娠、搾取を生む経済的要因を断ち切ること
- 思春期の女の子とユース女性が、彼女たちの生活に影響を与える意思決定に参加できるようにすること
日本国内における若年層への影響
プラン・インターナショナルは、今年1月に日本の15〜39歳の若者2,070人を対象に実施した「気候変動×ジェンダー×ユース世代」に関する全国調査結果も公開しています。気候変動に伴う豪雨や猛暑などのリスクは日本でも日常的な課題となっており、教育や就職、人生設計への影響が可視化されました。

プラン・インターナショナルでアドボカシーグループリーダーを務める長島美紀(政治学博士)は、気候危機への対応とジェンダー平等を一体の課題として捉え、女の子自身が未来をつくる担い手となる仕組みづくりの重要性を指摘しています。
本記事は国際NGOプラン・インターナショナルの発表をもとに作成しました。

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