三菱総合研究所とMPX、電力市場の定量分析サービス提供を本格開始
株式会社三菱総合研究所と株式会社MPXは、MPXが提供する電力需給シミュレーションモデル「MPX-Fundamentals」を活用した定量分析サービスの提供を本格的に開始すると発表した。両社はMPX-Fundamentalsの商用利用に関する枠組みを整備し、三菱総合研究所のシンクタンク・コンサルティング機能とMPXの電力市場シミュレーション技術を組み合わせたサービスを展開する。今後、両社間で電力市場・電源価値評価分野における定量分析サービスを拡大していく。
電力市場の複雑化と定量分析ニーズの高まり
日本の電力市場は、脱炭素政策の進展に伴う再生可能エネルギーの大量導入や蓄電池の普及、需給調整市場や容量市場の創出などを背景に複雑化している。こうした状況を受け、発電事業者、小売電気事業者、需要家、金融機関などにおいて、電力市場の不確実性に対応するための定量分析ニーズが高まっている。
具体的には、以下の分野での分析ニーズが挙げられている。
- 将来の卸電力価格の見通し
- 電源の収益性評価
- 蓄電池や再生可能エネルギーの事業性分析
- 電力関連資産の投資判断
三菱総合研究所(代表取締役 社長執行役員:籔田健二)はこれまで、独自開発の電源ディスパッチモデルを活用して定量分析サービスを提供してきた。2025年からは上記のニーズに対応するためMPX-Fundamentalsを活用したサービス拡大の準備を進めており、今回の枠組み整備によって株式会社MPX(代表取締役社長:荒生 元)との連携によるサービス提供が実現した。
MPX-Fundamentalsは、電力需要や燃料価格、発電設備の構成などを踏まえて将来の卸電力市場をシミュレーションする解析基盤である。MPXの提携先であるオランダ・KYOS社のアルゴリズムを用いており、長期間の複雑な電源ディスパッチを短時間で分析できる強みを持つ。同モデルは複数の電気事業者に採用された実績もある。
本モデルの強みを活かすことで、取り扱う燃料種の追加や火力発電所・原子力発電所の計画停止期間の設定など、より多くの不確実性を考慮しながら卸電力価格への影響を評価することが可能となる。さらに、卸電力取引に広く利用されているMPXのフォワードカーブと共通データを利用することで、最新の情報を反映できるようになる。
今回のサービス提供開始により、三菱総合研究所は政策分析・市場分析機能に加え、高度なシミュレーション技術を活用したデータドリブンなコンサルティングサービスを強化する。また、MPXは卸電力市場に関するモデルやデータの活用領域を広げ、顧客課題の解決につなげるとしている。
三菱総合研究所は今後、発電事業者、小売電気事業者、需要家、金融機関などを対象にサービス提供を拡大する予定である。両社は引き続き連携を強化し、相互の強みを活かしたサービスメニューの拡充を図る方針だ。
本記事は株式会社三菱総合研究所および株式会社MPXの発表をもとに作成。
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