CTCなど3社、生成AI活用の原子力申請書作成支援システムを共同開発
伊藤忠テクノソリューションズ株式会社(CTC)、東京電力ホールディングス株式会社(東京電力HD)、ストックマーク株式会社の3社は、生成AIおよび検索拡張生成(RAG)技術を活用した「原子力申請書作成支援システム」の共同開発を進め、東京電力HDの原子力部門に概念実証(PoC)環境を導入しました。本システムは、過去の文書や図表から関連情報を検索・参照し、行政機関向け申請書の作成および確認を支援するものです。2026年10月より導入し、申請書の作成および確認業務における有効性の評価を開始します。
膨大な申請資料の作成と確認にかかる負荷の軽減へ
東京電力HDの原子力部門では、設備の設計や工事にあたり、計画などを行政機関へ申請して許可を受ける必要があります。申請書は複数の部門が関連文書や図表との整合性、記載漏れなどを重ねて確認しています。
申請文書は約4万2千ページ、補足説明資料は約2万7千ページに及ぶ場合もあり、膨大な情報を漏れなく参照して正確性を確保することが求められます。そのため、資料の品質を維持しながら担当者の負荷を軽減することが課題となっていました。
SAT基盤のRAG技術とオンプレミス環境による安全な運用
共同開発を進める原子力申請書作成支援システムは、生成AI、OCR(光学文字認識)、画像認識AIなどの技術を組み合わせたシステムです。ストックマークのデータ構造化プラットフォーム「SAT」を基盤とした検索拡張生成(RAG)技術を採用しています。
文書や図表をAIが活用しやすい形式に構造化し、検索した関連情報を生成AIの回答に反映することで、必要な情報を迅速に確認できるようにします。また、機密情報を安全に扱うため、システムはオンプレミス環境に構築されています。
申請書の作成段階から記載漏れや不整合の確認を支援することで、後工程での確認や修正にかかる負荷を軽減し、業務の品質向上と効率化を図ります。なお、AIによる確認結果の妥当性や申請書修正の必要性については、人が最終的に判断します。
各社の役割と今後の展望
本システムの開発において、東京電力HDは業務要件の整理や評価・検証を担当し、CTCは要件定義から技術検証、システム開発までを担いました。ストックマークはデータ構造化プラットフォームSATの提供と技術支援を担当しています。
今後はPoCの評価結果を踏まえてシステムの機能強化と拡充を進める方針です。さらに、東京電力HDの他部門や他の電力会社への展開を目指し、電力業界全体における申請書作成・確認業務の品質向上と効率化に貢献するとしています。
本記事は伊藤忠テクノソリューションズ株式会社、東京電力ホールディングス株式会社、ストックマーク株式会社の発表をもとに作成しました。
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