パーソルテンプスタッフらの協働研究所がバイオ研究者の役割構造を発表
パーソルテンプスタッフ株式会社と大阪大学大学院工学研究科が共同設立した「パーソル高度バイオDX産業人材育成協働研究所」は、2026年8月29日に開催された第56回日本労務学会全国大会で共同研究成果を発表しました。本発表は、大阪経済大学経営学部准教授の柿澤 寿信氏、高松大学経営学部教授・大阪大学工学研究科特任教授の松繁 寿和氏との共同研究によるものです。「大学研究者に期待される役割構造 ―バイオサイエンス研究者へのインタビューに基づく探索的分析―」をテーマに、バイオサイエンス研究者に期待される役割の構造を探索的に整理した内容となっています。
研究の背景と調査概要
近年、日本における科学研究力の相対的な低下が指摘される中、研究活動の担い手は個人中心からチームや組織単位へと変化し、研究者には多様な役割が求められるようになっています。研究者に必要なコンピテンシーに関する研究が進む一方、研究者に何が期待されているかという役割構造やキャリア段階に伴う役割の変化については十分に整理されていませんでした。
そこで本研究では、大学および研究機関に所属する博士課程学生から教授クラスまでのバイオサイエンス研究者10名を対象に半構造化インタビューを実施し、研究活動において期待される役割とキャリア段階による違いの分析を試みました。
研究者に求められる4つの役割観点
調査の結果、研究者に求められる役割は、研究成果を生み出す「研究の実行」に加え、「研究活動の維持・拡大」「研究組織運営」「人材育成」の4つの観点に整理できると結論付けられました。
- 研究の実行: 研究分野における自らの研究の位置づけを把握し、研究テーマを設定するとともに、研究方法を設計して学術的成果を創出する、研究者の中核となる役割
- 研究活動の維持・拡大: 研究の学術的・社会的価値を外部に説明し、研究費、共同研究者、研究ネットワークなどの研究資源を獲得することで、研究活動を継続・発展させる役割
- 研究組織運営: 研究計画や進捗の管理、役割分担、人的・物的資源の配分、組織内外の調整などを通じて、研究活動を円滑に進める役割
- 人材育成: 若手研究者や学生に対して実験技術や研究方法を指導するだけでなく、自ら問いを立て、独自の研究テーマを持つ研究者として自律的に成長できるよう支援する役割
これらの役割は大学制度上の職位と一対一に対応するものではないものの、キャリアの進展に伴い、「研究の実行」を中心とする役割から、研究資源の獲得や研究組織の運営、後進の育成へと比重や責任範囲が広がる傾向が確認されたとしています。
今後の展望
今回の研究は10名へのインタビューに基づく探索的研究であり、提示された役割の領域やキャリア段階による区分は暫定的なものとされています。
今後は、大学や研究機関に所属する研究者に加え、バイオ領域のベンチャー企業や企業内研究開発部門に所属する研究者を対象とした調査を進め、アカデミア研究者と企業研究者に期待される役割の共通点や相違点を比較・分析する予定です。研究組織の違いによる役割構造の違いを比較・分析することで、将来的には研究者のキャリア形成や産学間の人材流動化を支える実践的な示唆につなげることを目指しています。
関連組織の概要
パーソル高度バイオDX産業人材育成協働研究所
- URL: https://persol-biodx-arl.eng.osaka-u.ac.jp/
パーソルテンプスタッフ株式会社
- 本社: 東京都新宿区
- 代表取締役社長: 木村 和成
- 事業内容: 人材派遣、紹介予定派遣、アウトソーシングなどの人材サービス
- 沿革: 2017年7月よりテンプスタッフ株式会社からパーソルテンプスタッフ株式会社へ社名変更
- URL: https://www.tempstaff.co.jp/
本記事はパーソルテンプスタッフ株式会社の発表をもとに作成しました。
ビジネスパーソンの課題解決と納得感にこだわるDellows News編集部。キャリア論からAI、健康法まで幅広い分野に対応し、複雑なテーマでも平易な言葉で丁寧に解説。読者が「明日から使える」知識やヒントを得られるよう、具体的な事例・データ・専門家の見解を交えて執筆。情報を整理し、納得感ある記事づくりを心がけています。



