日立がデジタルアセット取引向けAML監視サービスの提供を開始
株式会社日立製作所は、10月1日より、金融機関や暗号資産関連事業者などに向け、暗号資産・ステーブルコインなどのデジタルアセット取引向けアンチ・マネー・ローンダリング(AML)モニタリングサービス「Digital Asset AML Platform」の提供を開始しました。複数の情報と分析手法を組み合わせ、取引やウォレットに関するリスク兆候を多角的に評価します。
暗号資産やステーブルコインの利用が広がる一方、これらを悪用したマネー・ローンダリングなどの金融犯罪は、複数のウォレットや取引所、ブロックチェーンネットワークを経由し、国・地域や事業者にまたがり複雑化しています。本サービスは、事業者が単一で保有する取引情報や既知のリスク情報だけではリスクの全体像の把握が難しいとされる課題に対応するものです。
多層的な分析と事業者間の情報活用
Digital Asset AML Platformは、外部のブロックチェーン分析情報、制裁・犯罪関連情報、事業者間で活用可能なリスク情報、オンライン詐欺関連情報、ウォレットの利用状況、AI・機械学習による取引行動分析など、複数の評価軸を組み合わせます。これにより、単一のリスク情報や評価方法では把握しにくいリスク兆候を多角的に捉えることを支援します。
また、自社が保有する情報に加えて、利用事業者間で活用可能なリスクシグナルを評価に取り込みます。一社が把握したリスク兆候を他の利用事業者におけるモニタリングにも活用することで、個社だけでは見つけにくい兆候の早期把握を支援し、業界全体の防御力向上に貢献するとしています。
3つのモニタリング機能を提供
本サービスでは、以下の3つのモニタリング機能が提供され、利用事業者は業務や利用目的に応じて評価結果を判断材料として活用できます。
- 事後モニタリング:取引後のリスク変化を継続的に確認する機能
- オンライン即時評価:取引前に相手先アドレスを評価する機能
- トークンモニタリング:ステーブルコインなどの発行後の流通リスクを確認する機能
実証実験の成果を実務へ適用
本サービスは、2025年から日立がデジタルアセット取引関連事業者およびAML関連技術提供者と連携し取り組んできた実証実験の成果を活用しています。実証では、複数の情報および分析手法を組み合わせたリスク評価について、実務への適用可能性が確認されました。なお、2026年3月から5月に実施した第2回実証実験は、金融庁「FinTech実証実験ハブ」の支援決定案件として実施されたものです。
日立は今後も、デジタルアセット取引に関するデータ分析、リスク評価およびAML業務の支援を通じて、暗号資産・ステーブルコインをはじめとするデジタルアセット取引の健全な発展と、安全で信頼できる金融インフラの実現に貢献する方針です。
- 本サービスが提供する評価結果は、マネー・ローンダリングなどのリスク兆候に関する判断材料であり、不正取引または法令違反を断定するものではありません。最終的な対応判断は利用事業者が行います。
- 事業者間で活用する情報は、ウォレットアドレス、トランザクションハッシュ、リスクカテゴリ、検知理由などのリスクシグナルを想定しており、個人属性情報は事業者間共有の対象としません。
- 対応するブロックチェーンネットワーク、トークンおよび評価機能は、契約内容や提供条件により異なります。
本記事は株式会社日立製作所の発表および金融庁の公表情報をもとに作成しました。
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