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ファーマバイオの再生医療製品PAL-222、第Ⅰ/Ⅱa相で主要評価項目を達成

愛知県名古屋市に本社を置くファーマバイオ株式会社は、近視性網脈絡膜萎縮を対象とした再生医療等製品「PAL-222」の第Ⅰ/Ⅱa相臨床試験(PAMyCA試験)において、主要評価項目を達成したと発表した。本試験では網脈絡膜萎縮面積の拡大抑制が示されたほか、視機能の維持につながる可能性や良好な安全性プロファイルを示すトップライン結果が得られた。同社は今後、規制当局との承認申請に向けた協議を進めるとともに実用化を目指すとしている。

網脈絡膜萎縮面積の拡大抑制で主要評価項目を達成

近視性網脈絡膜萎縮は、病的近視に伴い網膜色素上皮、脈絡膜および視細胞が不可逆的に変性・萎縮する進行性疾患であり、失明や高度視覚障害の主要な原因の一つとされている。現在、進行を抑制し視機能を維持または改善するための有効な治療法は確立されていない。

本試験では、登録された11例の全患者を対象にPAL-222を網膜下へ移植し、52週間の観察期間を通じて評価が行われた。有効性の評価では、PAL-222を移植した被験眼と、移植していない対照眼を比較検討した。

主要評価項目である移植前後での網脈絡膜萎縮面積の変化において、被験眼は対照眼と比較して面積拡大が統計学的に有意に抑制された。移植後52週における面積比の対数変換値の平均値± 標準偏差は、被験眼が -0.01±0.02、対照眼が 0.12±0.07 となり、被験眼と対照眼の差の点推定値は -0.13(95%信頼区間: -0.18, -0.08) で有意な差が認められた (対応のあるt検定: p<0.001、並べ替え検定: p<0.001)。

視機能の維持傾向と良好な安全性プロファイル

副次評価項目である網膜感度および最高矯正視力については、移植後52週時点で被験眼と対照眼の間に統計学的な有意差は認められなかった。一方で、被験眼の網膜感度および最高矯正視力(LogMAR) は移植後52週まで移植前の水準が概ね維持されており、萎縮面積の拡大抑制が視機能の維持に関連している可能性が示唆された。

安全性においては、PAL-222に起因すると判断された重篤な有害事象は認められず、新たな安全性上の大きな懸念は確認されなかった。間葉系間質細胞(MSC)製品で懸念される移植片拒絶反応や腫瘍形成、異所性組織形成、重篤な免疫学的反応を示唆する所見や、視機能に重大な影響を及ぼす可能性のある重篤な手術関連合併症も認められなかった。

本試験の医学専門家である名古屋市立大学病院の安川力教授は、今回の結果について良好な安全性を確認するとともに萎縮面積拡大の抑制による視機能維持および組織保護効果の可能性を示すものであり、病態の進行そのものに抑制的に作用する新たな治療アプローチとして有望な成果であるとの見解を示している。

承認申請に向けた協議と今後の展望

ファーマバイオ株式会社代表取締役の草野仁は、今回の結果をPAL-222の臨床的可能性を示す重要なマイルストーンとし、今後は規制当局と承認申請に向けた協議を進めるとともに一日も早い実用化を目指していくとコメントした。

同社は得られたデータを基にPAL-222の条件及び期限付承認の取得を目指して開発を進めるほか、国内外における事業展開の可能性や開発戦略の検討を行う。また、本試験結果は関連学会での発表や査読付き学術誌への投稿を予定している。

PAMyCA試験の概要

  • 試験名:近視性網脈絡膜萎縮患者に対するPAL-222の第Ⅰ/Ⅱa相臨床試験
  • jRCT番号:jRCT2043220105
  • 対象疾患:近視性網脈絡膜萎縮(Myopic Chorioretinal Atrophy)
  • 試験フェーズ:第Ⅰ/Ⅱa相
  • 試験の目的:活動性の脈絡膜新生血管を伴わない近視性網脈絡膜萎縮患者に対し、再生医療等製品であるPAL-222を移植し、その安全性および有効性を探索的に評価する
  • 試験デザイン:非無作為化、非盲検、未治療片眼対照比較試験
  • 被験眼の治療法:経毛様体扁平部硝子体手術によりPAL-222を1シート網膜下腔へ移植する
  • 主な対象基準:20歳以上、強度近視(−6.0D以上の近視)または-6.0D相当の眼軸長以上、被検眼の矯正文字視力が60文字未満、両眼に近視性網脈絡膜萎縮を有し被検眼の中心窩近傍に一定以上の萎縮病変が存在する、活動性の脈絡膜新生血管が認められない

なお、本試験は104週まで観察を継続中で、長期間にわたる安全性データの収集を行っている。

本記事はファーマバイオ株式会社の発表をもとに作成。

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