スマートラウンド証券が開業 非上場株式のセカンダリー取引サービスを提供開始
スマートラウンド証券株式会社は2026年10月2日、日本証券業協会への加入を完了し、正式に営業を開始した。あわせて同社は、提供サービスの第一弾として、非上場株式のセカンダリー取引をスタートアップの成長戦略に組み込む「SPO(Secondary Private Offering)」サービスの提供を開始した。
開業の背景と国内セカンダリー市場の動向
スマートラウンド証券は、2025年5月施行の改正金融商品取引法で新設された「第一種金融商品取引業(非上場有価証券特例仲介等業務)」の登録を2026年8月21日に完了(関東財務局長(金商)第3539号)し、非上場株式に特化した証券会社として開業した。
東証グロース市場改革を背景としたIPOの大型化や長期化が進むなか、非上場のまま成長を続けるスタートアップが増加しており、初期に出資したVCや役職員が保有する株式やストックオプション(SO)の現金化ニーズが顕在化している。米国で約20兆円規模に達したセカンダリー市場は日本でも本格的な立ち上がりが期待される分野とされている。

同社は、親会社である株式会社スマートラウンドが運営するプラットフォーム「smartround」(スタートアップ7,800社以上・投資家4,800以上が利用)の事業基盤をもとに、日本の法規制や市場慣行に適合したセカンダリーマーケットの創出を目指すとしている。
資本政策に組み込む「SPO」の仕組み
第一弾として提供されるSPO(審査制)は、IPOを見据えたグロース期のスタートアップが、既存株主の保有する株式のセカンダリー取引を資金調達ラウンドのように計画的なラウンドとして実施し、資本政策に組み込む手法である。
従来の資金調達とセカンダリー取引を同時に行うミックスディールとは異なり、セカンダリー取引のみを実施するラウンドとなる。海外ではSpaceX(2026年6月上場)やOpenAIが上場前から定期的に同様のラウンドを実施し、Anthropicも2026年に実施している。
スタートアップがIPO前にSPOラウンドを実施することで期待できる効果として、以下の項目が挙げられている。

- オーバーハング懸念の払拭(IPO前にVC等の保有比率を下げて上場後の売り圧力を軽減し、適正な株価形成に寄与)
- 株主構成の戦略的な最適化(長期保有が見込める国内外の機関投資家や事業会社等の受け入れ)
- SOのインセンティブ効果の向上(上場前に現金化できるSOを活用した採用力・リテンションの強化)
証券会社による支援の意義と投資家の賛同
セカンダリー取引は新株発行による資金調達とは異なり会社に資金が入らないため、スタートアップ自身が多くの工数を割くことが難しいほか、関係者の多さや情報の非対称性、価格の妥当性、先買権などの権利調整といった難しさがある。
スマートラウンド証券は、金融商品取引法および日本証券業協会の自主規制規則に則り、対象を特定投資家に限定したうえで中立的な仲介者として支援を行う方針である。なお、SPOラウンドの仲介に加え、M&Aを見据えたセカンダリー取引やミックスディール、SOセカンダリーなどの支援も行うとしている。
SPOの理念に対しては、複数の投資家から賛同が寄せられている。スパークス・アセット・マネジメント取締役の出路 貴規氏は、上場前から長期目線で資本参加できる機会として共感を表明している。また、Integral GlobalTech PartnersのPartner and Co-HeadであるCK Choun氏や、法改正に向けた提言に関わったインキュベイトファンド代表パートナーの村田 祐介氏も期待を寄せている。
- 商号:スマートラウンド証券株式会社(Smartround Securities, Inc.)
- 所在地:東京都千代田区大手町1丁目6−1
- 代表者:代表取締役社長 加納 拓也
- 登録番号:関東財務局長(金商)第3539号
- 加入協会:日本証券業協会
- Webサイト:https://www.smartround-sec.com/
本記事はスマートラウンド証券株式会社の発表をもとに作成されています。
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