セコム提携病院で看護師の働きやすさ可視化へ
セコム株式会社、セコム医療システム株式会社、株式会社きゃりこん.comの3社は、セコム提携病院である新東京病院などの医療従事者を対象に、「医療従事者の働きやすさの改善を可視化していく」ことを目指した実証を2024年10月より開始する。
セコム医療システムは、病院運営支援を通じて培ったノウハウをシステム化し、病院向けICTサービスを提供している。きゃりこん.comは、医療介護現場での働く人の自己理解を支援し、経営層に組織課題を可視化するオンラインサービス「toHANAS(とはなす)」を開発している。
3社は、セコムがオープンイノベーションの一環で支援する「Mt.Fujiイノベーションキャンプ2023」を通じて連携を開始。新東京病院でのトライアルと説明期間を経て、10月から同病院および関連施設の全看護師450名を対象に実証を開始する。
医療現場は人命に対する強い責任感とプレッシャーの中で従業員の不調を引き起こしやすい環境にあり、長期にわたり従業員に活躍してもらうための環境構築に課題があった。今回の実証では、医療従事者一人ひとりの働きやすさへの課題を可視化し、組織全体での離職率低下・定着率向上の効果を検証することで、個人が職場内で充足感を得られる組織文化の土壌、および職場環境の構築を目指す。
実証では、「toHANAS」を医療現場の従業員用にカスタマイズし、看護師一人ひとりの定期的なコンディション診断と、それに基づく国家資格キャリアコンサルタントによるオンライン面談を定期実施。社内評価とは一切交わらない仕組み設計により、離職抑制への貢献、および自己効力感の向上等を検証する。また、マネジメント層に向けて、看護師一人ひとりの傾向を匿名化した組織全体の働きやすさへの課題をデータとして可視化。定量・定性的な組織課題について連続性を持った調査・分析を実施することで、医療従事者の働きやすさの継続的な改善を検証する。さらに、従来よりセコム医療システムが医療機関で実施してきた医療安全文化調査や、職員の働きやすさ向上のために行っている従業員エンゲージメント調査といった組織サーベイの新しいあり方を検討して実施する。