Powder Keg Technologies、NEDOのNEP躍進コースに採択
Powder Keg Technologies株式会社は、国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)が実施する2026年度「ディープテック分野での人材発掘・起業家育成事業(NEP)」の「躍進コース3000」に採択された。同社は本事業を通じて「フィジカルAIの完全性・堅牢性を継続検証する診断技術の研究開発」を進める。
NEP躍進コース3000の概要
NEP(NEDO Entrepreneurs Program)は、ディープテック・スタートアップの創出や育成を通じた経済の活性化、新規産業・雇用の創出を目的として、NEDOがディープテック分野の人材発掘と起業家育成を行う事業である。
同社が採択された「躍進コース3000」は、補助対象費用3,000万円以内、補助率1/1、事業期間12カ月以内(NEDOが指定する日から2027年8月31日まで)の制度となっている。2026年度の躍進コース全体では、241件の応募の中から33件が補助金交付予定先として決定された。
研究開発の背景とセキュリティリスク
ロボットに搭載したAIが自ら周囲を認識・判断して動作する「フィジカルAI」の実用化が進む一方、新たなセキュリティリスクが生じている。
情報システム(IT)におけるサイバー攻撃の主な被害が情報漏えいやデータ改ざんであり、工場の制御システム(OT)では生産ライン停止や設備破損が対象となるのに対し、フィジカルAI搭載ロボットへの攻撃は人身事故など人の身体や生命に影響を及ぼすおそれがある。しかし、ロボットの通信基盤から搭載AIモデル、工場ネットワークまでを一貫して診断する手法は限られている。これまでAI自動セキュリティ診断デバイス「MUSHIKAGO」を提供してきた同社は、その知見をロボットおよびフィジカルAIの領域へと拡張する。
3つのテーマで進める診断技術の研究開発
本事業では、ROS/ROS 2を搭載したロボットを対象に、機密性の高い現場でも利用できるよう閉域網で完結する診断技術を開発する。具体的には以下の3つのテーマに取り組む。
- ロボット制御用ミドルウェアのセキュリティ診断
ロボット内部やロボット間の通信における暗号化・認証の自動検査技術を開発し、ロボットを起点とした侵入による工場内ネットワークへの想定被害範囲を可視化する。

- ロボットに搭載されたAIモデルのセキュリティ診断
ロボット上のエッジAIを想定し、入力のわずかな変化に対する頑健性や推論結果の信頼度を測定して潜在的リスクを定量的なスコアとして評価する技術を開発する。
- 稼働を止めないシステム・AI複合診断
稼働中のロボットの停止や物理的損傷を防ぐ「セーフティ・ガードレール」の研究開発を行い、ロボットを稼働させたまま通信基盤とAIモデルにまたがる脆弱性を特定する手法を確立する。
これらの開発成果は既存プロダクト「MUSHIKAGO」の機能として統合し、ロボット開発者が出荷前の品質保証工程でセキュリティを検証できる環境の実現を目指す計画である。
今後の展望
同社はまず社内の検証用ロボット環境で診断技術を確立し、国内ロボットメーカーの実環境での実証を経て実用性を確認する予定である。補助事業期間終了後は、国内の産業用ロボットメーカーや自律移動ロボット開発企業向けに専用機器(アプライアンス)形式での提供を目指す。将来的には欧州をはじめとする海外市場への展開や、各国の法規制対応を支援するプラットフォームへの発展も視野に入れている。
会社概要
東京都大田区に本社を置き、代表取締役を濱村 将人が務めるPowder Keg Technologies株式会社の概要は以下の通り。
- 会社名:Powder Keg Technologies株式会社
- 所在地:東京都大田区蒲田4丁目42-12 蒲田新生ビル201
- 代表者:代表取締役 濱村 将人
- 事業内容:サイバーセキュリティ製品の開発・販売、セキュリティコンサルティングサービスの提供、脆弱性診断サービスの提供、ペネトレーションテストサービスの提供
- 設立:2021年9月9日(2023年8月 株式会社化)
- URL:https://powderkegtech.com/ja/
本記事はPowder Keg Technologies株式会社の発表をもとに作成。
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