小型アンモニア水素製造装置の実用化へ

東洋エンジニアリング株式会社、日本精線株式会社、中部電力株式会社、中部電力ミライズ株式会社の4社は、水素利活用促進のため、アンモニアを原料とした小型水素製造装置の実用化に向けた共同検討に関する覚書を締結した。

2050年カーボンニュートラル達成に向け、工場や商業施設では化石燃料から脱炭素燃料への転換が求められている。水素はアンモニアと比べ燃焼温度が高く、小型ボイラやエンジンの普及も拡大している一方、アンモニアは輸送・貯蔵技術が確立されており、水素の大量輸送における水素キャリアとしての役割が期待されている。このため、アンモニアを原料とした水素需要の高まりが予想される。

東洋エンジニアリングと日本精線は従来から、顧客敷地内でアンモニアから水素を製造する小型装置の開発に取り組んでいる。覚書に基づき、中部電力と中部電力ミライズが市場調査や経済性評価、実用化に必要な技術要件の検討を行う。これを踏まえ、東洋エンジニアリングと日本精線が機器開発を進め、4社共同で顧客敷地内での実証を行い、日本初の小型アンモニアクラッキング装置の実用化を目指す。

4社は、水素利活用に向けた課題解決を通じて、顧客の脱炭素化の取り組みを促進し、カーボンニュートラル社会の実現に貢献していく方針だ。