武蔵野大学大学院生、つくば市の金田台歴史緑空間を対象に建築設計を提案
武蔵野大学大学院工学研究科建築デザイン専攻の2026年度「建築デザインスタジオ」を履修した大学院生6名が、茨城県つくば市の「金田台歴史緑空間」を対象とした設計・提案を行いました。学生らはフィールドワークや調査を通じて「森と人」をつなぐ建築を構想し、神田のコミュニティセンター「watage」で学外講評会を開催しました。今後はつくば市や地域住民と連携し、竹を活用したワークショップなどの実現に向けた取り組みが進められる予定です。
今回の取り組みは、大学院の授業の設計課題の対象地として金田台歴史緑空間を取り上げたことから始まりました。つくば市は平地部にも大小さまざまな森林が点在する自然豊かな街ですが、近年は後継者不足などから維持管理が難しくなっています。その中にある金田台歴史緑空間は、国指定史跡「金田官衙遺跡」や城址、湧き水、森林が共存する緑地空間です。
学生たちは「HAND / LAND|森に手をいれる」をテーマに、つくば市鳥獣対策・森林保全室やつくだ市が取り組む「森林バンク制度」の一つである『みんなで創る森プロジェクト(モデル森林づくり)』に取り組む「Dear Tree Project」(主宰:石川 由佳子氏)らと連携しました。14週間にわたって現場視察や意見交換を重ね、森にある素材を活かした居場所や現地で自らつくり更新していける仕組みの提案に取り組みました。

6名の大学院生による多様な提案テーマ
学生一人ひとりが異なる視点から森を読み解き、空間提案を行いました。
- 伊藤 尚輝さん「Open Stock -森林管理と都市利用をつなぐ建築-」:森林管理で生まれた間伐材(丸太)を市場に出回るまで保管・管理し、ユニットを作って建築として活用する。
- 佐藤 優月さん「Bamboo Hack」:竹を伐り、砕き、削り、利用する循環を建築化し、放置竹林の課題解決と里山の日常の可視化を図る。
- 清水 優太さん「イコウ」:都市と森林の境界に宿泊・食堂・工房・資材庫などを備えた「森への入口」を計画し、城壁(過去)、食堂(現在)、森林(未来)をつなぐ。
- 高野 泰地さん「森を受け取る器」:金田城跡を舞台に、光や風、音、匂いといった五感の変化を受け取り、人が自然の時間を感じられる場を提案する。
- 野澤 沙帆さん「森とあそぶ、森で過ごす ―親子と自然をつなぐ小さな居場所―」:親子が気軽に立ち寄れる場所を計画し、組み立てや交換が容易なつくりで森への負担を抑える。
- LI YINUO さん「森の響 ―風と竹のぶつかりから生まれるサウンドスケープ―」:葉の擦れ合う音や風の音に着目し、敷地内の竹材を用いた「相持ち構造」による空間装置を提案する。

神田「watage」での学外講評会と意見交換
8月25日には、神田のコミュニティセンター「watage」において学外講評会が開かれました。学生たちは各自の発案意図や設計の工夫をポスターにまとめ、制作した模型とともに説明を行いました。講評会にはつくば市の関係者もオンラインで参加し、学生の提案をもとに森への関わり方や今後の実践の可能性について議論が交わされました。
担当教員の太田 裕通准教授は、建築を人と森との関係をつなぎ直す道具と捉え、地域や行政、専門家との対話を通じて設計を考えたプロセスを振り返り、今後は実際の森の中で提案を実現する取り組みにつなげたい旨を述べています。

地域連携による今後の実践とワークショップの展望

金田台歴史緑空間では、つくば市のモデル森林としての活用とともに、NPOによる継続的な手入れを通じて「使われる森」への変化が進められています。今回学生が提案した居場所が実際に設置される可能性もあり、今後は竹を活用したワークショップや現地での制作・設置など、つくば市や地域住民と連携した実現への取り組みが予定されています。
武蔵野大学の概要
- 創立:1924年(武蔵野女子学院として設立、2003年に武蔵野大学へ名称変更)
- 所在地:東京都西東京市
- 規模:13学部21学科、14大学院研究科、通信教育部など(学生数14,000人超)
- Webサイト:https://www.musashino-u.ac.jp/
本記事は武蔵野大学の発表をもとに作成されています。
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