DELTA、成果報酬型のLLMコスト削減を開始 原価可視化から削減実務まで代行
東京都渋谷区に本社を置く株式会社DELTAは2026年10月1日、自社サービスにLLM(大規模言語モデル)を組み込んで運用する企業向けに、新サービス「LLMコスト削減」の提供を開始しました。機能ごとのコストを把握できる計測の仕組みを導入し、削減幅の診断から削減実務の代行までを一貫して手がけます。削減の実施は成果報酬型を採用しています。
機能ごとの原価可視化と成果報酬型の削減プロセス
LLMコスト削減は、機能ごとの呼び出し回数、トークン数、金額まで分解して原価を可視化するサービスです。対象は自社サービスの機能としてLLMを利用している企業で、目安としてAPI費用が月20万円以上を想定しています。なお、社内の業務効率化を目的とした生成AI利用は対象外となっています。
対応サービスはAmazon Bedrock、Anthropic Claude API、OpenAI API、Azure OpenAI Service、Gemini Enterprise Agent Platform(旧Vertex AI)などです。
業務プロセスは以下の5つのステップで進行します。
- 計測環境の導入:環境や利用サービスに合わせて計測方法を選び、導入する
- 診断:機能ごとの呼び出し回数、トークン数、金額まで分解する
- レポート:打ち手を、削減見込み額や品質リスク、工数とともに提案する
- 削減の実施:隔離環境での比較、シャドウ実行、カナリアリリースを経て実装する
- 成果報酬:削減額に応じて請求し、診断費用を差し引く
ステップ1から3の診断(約1カ月)は有償ですが、削減の実施まで進んだ場合は削減額に応じた成果報酬から診断費用が差し引かれます。施策の反映にあたっては、隔離環境での新旧比較、本番リクエストを用いたシャドウ実行、一部利用者から切り替えるカナリアリリースの3段階で実施され、評価スコアが基準を下回った施策はコストが下がっていても成果に計上されません。
LLM普及に伴うコスト課題と提供の背景
富士キメラ総研の「2026 生成AI/AIエージェントで飛躍するAI市場総調査 市場編」(2026年3月)によると、国内のLLM/SLM(小規模言語モデル)クラウドAPIサービス市場は2025年度に357億円(前年度比155.9%)、2029年度には1,300億円(2024年度比5.7倍)まで拡大すると予測されています。
モデルの推論単価自体は低下傾向にあり、Stanford HAI「The 2025 AI Index Report」によればGPT-3.5相当の性能を持つモデルの推論コストは約18カ月で280分の1以下になったとされています。一方で、米ICONIQの調査(2026年7月)ではAI製品の粗利率が2025年時点で平均45%にとどまるなど、利用量の増加に伴って推論費用が粗利を圧迫するケースが指摘されています。
Amazon Bedrockをはじめとするクラウドの標準請求ではモデルごとや1日ごとの合計額のみが表示され、どの機能にいくら費用がかかっているかを把握するにはアプリケーション側の対応が必要となるため、最適化に着手しづらい構造がありました。
株式会社DELTAの代表取締役CTOである丹 哲郎氏は、現状のLLMプロバイダー各社の請求管理画面では意味のある単位でのコスト分析が難しいと指摘したうえで、「計測をまず行える基盤を構築したうえで、アプリケーションの改修やプロンプトの見直し、品質の評価、個人データの扱いまで手を入れる必要があり、広範な専門性を横断したタスクフォースが必須となっています。私たちはそこを一つのチームで引き受けます」と述べています。

株式会社BOXでの先行導入事例
スタートアップ企業の人事支援や若手層のキャリア支援・転職紹介を手掛ける株式会社BOXでは、面談内容をLLMで要約する機能において同施策を先行導入しました。
本番の呼び出しを記録・調査した結果、面談の要約1,528件に対して元の文字起こしは37件であり、同じ文字起こしを最大94回要約し直していたことが判明しました。モデルやプロンプトを変更せず、アプリケーションの修正のみを行うことで、同機能のLLMコストを施策反映前と比べて約9割削減したとしています。
DELTAではこれまでにもクラウドコスト最適化支援「CTO Booster」を通じて200社以上のコストを診断しており、株式会社ジモティーで月約200万円、株式会社カケハシで月約55万円(約21%)のインフラコスト削減を支援した実績があります。
LLMコスト削減の詳細は以下の通りです。
- サービス名:LLMコスト削減
- 提供開始日:2026年10月1日
- サービスURL:https://teamdelta.jp/service/llm-cost-reduction
- 無料相談・問い合わせ:https://sgznx.share-na2.hsforms.com/285mC4Ub-R0m9cr0UmB8Qcw
提供企業の概要は以下の通りです。
- 会社名:株式会社DELTA
- 所在地:東京都渋谷区桜丘町9-8 KN渋谷3ビル2F
- 代表者:代表取締役CTO 丹 哲郎
- 設立:2021年10月22日
- 資本金:500万円
- 事業内容:クラウドコスト最適化支援「CTO Booster」、LLMコスト削減、生成AIやAIエージェントを含む受託開発、企業向け生成AI研修、レガシーシステム刷新支援「VersionUp Booster」、クラウド請求代行
- URL:https://teamdelta.jp/
本記事は株式会社DELTAの発表をもとに作成されています。
ビジネスパーソンの課題解決と納得感にこだわるDellows News編集部。キャリア論からAI、健康法まで幅広い分野に対応し、複雑なテーマでも平易な言葉で丁寧に解説。読者が「明日から使える」知識やヒントを得られるよう、具体的な事例・データ・専門家の見解を交えて執筆。情報を整理し、納得感ある記事づくりを心がけています。



