オハラの光学ガラス、NASAのナンシー・グレイス・ローマン宇宙望遠鏡に採用
株式会社オハラが製造する光学ガラスが、NASAが開発した次世代の「ナンシー・グレイス・ローマン宇宙望遠鏡」に搭載された観測機器に採用されました。
採用された機器は「コロナグラフ装置(CGI)」と「広視野観測装置(WFI)」の2種類です。ローマン宇宙望遠鏡は8月30日に打ち上げられ、約3か月かけて地球から約150万キロメートル離れた宇宙空間に向かう計画となっています。

ナンシー・グレイス・ローマン宇宙望遠鏡は、1990年に地球周回軌道上に投入された初の宇宙望遠鏡であるハッブル宇宙望遠鏡と同じ主鏡口径2.4mを持ちながら、ハッブル近赤外線カメラの約200倍の視野を備えています。
宇宙のダークエネルギーやダークマターの解明、太陽系外惑星の探索・観測などを主な目的としており、数億個の銀河や数千個の超新星を観測することが計画されています。
搭載される2つの観測装置と採用素材


コロナグラフ装置(CGI: Coronagraph Instrument)は、恒星の強い光を遮り暗い天体の光を分離することで、太陽系外惑星や原始惑星系円盤を直接観測するための装置です。プリズム、検出器、可変形鏡を組み合わせ、従来のコロナグラフシステムに比べて100倍以上の性能を実現すると期待されています。オハラの耐放射線光学ガラスはこの装置の光学系に採用されており、放射線にさらされる過酷な宇宙環境下でも透過率はほとんど変化せず、安定した性能を発揮します。


広視野観測装置(WFI: Wide Field Instrument)は、可視光から近赤外線の波長域に対応する3億画素の赤外線カメラおよび分光システムで構成され、ハッブル近赤外線カメラの約200倍の視野を備えます。オハラの光学ガラスは分光システムのプリズムに採用されており、天体から届く光を波長ごとに分けることで銀河や超新星の観測を支えます。
なお、NASAのミッションや機器への言及は情報提供を目的としたものであり、NASAがオハラまたはその製品を推奨していることを意味するものではないとしています。
宇宙・天文分野におけるオハラの主な実績
1935年創業で日本初の光学ガラス専業メーカーであるオハラのガラスは、長年にわたり宇宙・天文分野に貢献してきました。
- 1969年: アポロ11号に搭載、月面に着陸
- 1973年: NASAの宇宙ステーション「スカイラブ」に搭載
- 1982年: スペースシャトルコロンビア号に搭載
- 1999年: すばる望遠鏡の主焦点カメラ(SC)のレンズとして搭載
- 2007年: 月周回衛星「かぐや(SELENE)」に宇宙望遠鏡ミラー・姿勢制御用ミラーとして搭載
- 2012年: すばる望遠鏡の超高視野主焦点カメラ(HSC)のレンズとして搭載
- 2014年: 大型天体望遠鏡「TMT」の主鏡に採用、小惑星探査機「はやぶさ2」の分離カメラとして搭載
- 2017年: 超低高度衛星技術試験機「つばめ(SLATS)」の光学センサーミラーとして搭載
- 2019年: 国内最大の望遠鏡「せいめい」に搭載
- 2021年: NASAの火星探査車「パーシビアランス」のカメラに搭載
- 2023年: 小型月着陸実証機「SLIM」の航法カメラ、分光カメラに搭載
株式会社オハラの概要
代表取締役社長執行役員を齋藤弘和が務める株式会社オハラは、神奈川県相模原市に本社を置き、光学ガラスや特殊ガラスの製造・販売を手がけています。
- 社名: 株式会社 オハラ
- 所在地: 〒252-5286 神奈川県相模原市中央区小山1-15-30
- 資本金: 58億5千5百万円
- 従業員数: 468名(2025年10月末)
- URL: https://www.ohara-inc.co.jp/
本記事は株式会社オハラの発表をもとに作成されています。
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