新潮社が藪本勝治著の新潮選書 弁慶 創られた豪傑を9月28日に刊行へ
新潮社は9月28日(月)、灘中高の国語教諭で日本中世文学を専門とする藪本勝治氏による新潮選書『弁慶 創られた豪傑』を刊行する。
本書は、歴史書において実在すら疑わしい弁慶が、なぜ「忠義者」として知られるようになったのかを、室町時代に成立した義経の伝記『義経記』から読み解く一冊となっている。
共有された豪傑イメージと実在の謎
五条大橋の上で牛若丸(義経)と対決した場面や、義経を守るために体中に矢を受けて絶命した「立ち往生」のエピソードなど、弁慶の姿やかたちは広く知られている。また、「弁慶の泣き所」や「内弁慶」といったことわざ・慣用句、全国に残る伝承や遺跡など、弁慶のイメージは日本人の意識に浸透している。
しかし、歴史書『吾妻鏡』には名前の記載が二カ所あるだけで、実在したかどうかすら疑わしい人物でもある。本書では、この共有されたイメージと史実の差異に目を向け、弁慶像の知られざる誕生と成長の背景に迫る。
本書では、室町時代に編集された『義経記』を精読し、そこに描かれた自由奔放な弁慶の姿を手がかりに、社会的・文化的背景を考察する。痛快な豪傑がなぜ「忠義者」となっていったのか、その生成の過程を解き明かしている。
目次には「義経像の生成──弁慶誕生の条件」「五条の対決──「遊ぶ」あぶれ者の分身」「勧進帳──「戯れる」逃避行の庇護者」「立ち往生──「狂ふ」豪傑の自由の境地」といった章が立てられ、伝承世界や舞台芸能における弁慶、義経生存説についても補講として取り上げられている。
著者プロフィールと書籍情報
著者の藪本勝治氏は1983年、山口県生まれ。神戸大学文学部卒業後、同大学大学院人文学研究科に進み、博士(文学)を取得した。2026年9月現在、灘中学校・灘高等学校教諭を務める。専門分野は日本中世文学で、著書に『義経記 権威と逸脱の力学』『『吾妻鏡』の合戦叙述と〈歴史〉構築』(いずれも和泉書院)、『吾妻鏡 鎌倉幕府「正史」の虚実』(中公新書)などがある。
書籍の詳細は以下の通り。
- タイトル:弁慶 創られた豪傑
- 著者名:藪本勝治
- 発売日:9月28日(月)
- 造本:新潮選書(四六判変型ソフトカバー)
- 定価:(税込)1925円
- ISBN:978-4-10-603952-2
- URL:https://www.shinchosha.co.jp/book/603952/
本記事は新潮社の発表をもとに作成。
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