JARECとTOPPAN、家庭プラごみ再生材活用でSTI for SDGs奨励賞
公益財団法人全日本科学技術協会(JAREC)とTOPPANホールディングスのグループ会社であるTOPPAN株式会社は、家庭から排出されるプラスチックごみを原料にした「再生プラスチック配合ごみ袋」を製造し、自治体指定ごみ袋に活用する取り組みを行っています。この自治体指定ごみ袋における家庭プラごみ再生材活用の活動が、国立研究開発法人科学技術振興機構が主催する2026年度「STI for SDGs」アワードの奨励賞を受賞しました。技術開発にとどまらず、自治体における運用ルール作りや住民への理解・浸透に取り組む姿勢が、循環型社会の実現に向けた実践的な取り組みとして将来性を評価されました。
実証実験の成果と受賞の背景
JARECとTOPPANは、2022年に株式会社放電精密加工研究所とともに3者で「高度マテリアルリサイクル研究会」を設立しました。通常の分別やリサイクル技術では再資源化が難しく、焼却や埋め立てに頼らざるを得なかった難処理プラスチックの利活用における課題解決と、新たなリサイクルスキームの構築を目指して活動を続けています。
両者は同研究会の活動を通じて、家庭から出るプラスチックごみの原料を25%配合した「再生プラスチック配合ごみ袋」の実用化に向けた実証実験を、2026年2月1日から2月28日まで福岡県福岡市で実施しました。市民に配布して利用してもらった結果、ごみ袋の強度に関しては9割が肯定的に評価し、居住地域での本格導入についても8割が賛成という結果が得られました。こうした地産地消型資源循環の社会実装に向けた挑戦が評価され、今回の受賞につながりました。
地産地消型資源循環を目指す取り組みの特徴

本活動は、地域の家庭から分別回収されたプラスチックごみを、同じ地域で日常的に使う自治体指定ごみ袋として活用する地産地消型資源循環の取り組みです。
再生材活用に関する技術開発だけでなく、品質を保持できているかを確認する耐荷重試験などの科学的検証を行いました。また、再生材ごみ袋でも十分な品質であることを浸透させるため、市民による実使用試験や受容性調査を実施しています。品質の担保に加え、住民理解や運用ルール作り、環境への貢献を統合的な視点で進めている点が特徴となっています。
今後の展開とガイドライン策定への取り組み
JARECとTOPPANは今後、「再生プラスチック配合ごみ袋」の技術開発と普及促進を進め、地産地消型資源循環の実現と再生材活用によるCO2排出削減への貢献を目指します。
さらに、本活動を通じた実証実験の結果を体系的にまとめて公表していく方針です。継続的な情報発信を通じて、自治体における再生材ごみ袋に関する品質基準や導入ガイドラインを策定するための指標の構築を目指すとしています。
関連組織・表彰制度の概要
- 発表組織
- 公益財団法人全日本科学技術協会(本社:東京都文京区、理事長:土屋 定之)
- TOPPAN株式会社(本社:東京都文京区、代表取締役社長:野口 晴彦)
- 「STI for SDGs」アワード
- 科学技術・イノベーション(Science, Technology and Innovation:STI)を用いて社会課題を解決する日本発の優れた取り組みを表彰する制度。SDGs(Sustainable Development Goals)の達成に貢献することを目的に2019年度に創設。
- 高度マテリアルリサイクル研究会
- 物性を維持した難処理プラスチックのリサイクルと農林水産物残渣の有効活用をテーマに、2022年10月に発足した産学官連携の研究会。
本記事は公益財団法人全日本科学技術協会およびTOPPAN株式会社の発表をもとに作成しています。
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