小野測器、超高感度センサーを発売

株式会社小野測器は、2024年2月7日から超高感度ローノイズ TEDS対応3軸加速度センサーNP-7320N10を発売開始した。この製品は、ナノレベルの床の振動を計測できる新型センサーで、半導体製造現場の生産効率向上に貢献することが期待されている。

近年、自動運転やクラウドコンピューティングの成長に伴い、半導体の需要が増加している。その一方で、半導体の製造現場では、さらなる小型化と量産化の取り組みが行われており、数十ナノメートルから数ナノの要求精度が求められている。このような微細な加工を行う際、工場の床の微小な振動が製品の加工精度や検査に大きな影響を及ぼし、歩留まり率の低下を引き起こす可能性がある。そのため、微小な振動を現場で把握し、対策を立てることが求められている。

小野測器の新製品は、この微細な振動を検出するためのセンサーで、感度100 mV/(m/s²)と自身が持つノイズを28 μm/s2 rms以下を実現している。これにより、現場で要求されるナノレベルの振動が測定可能となり、半導体の安定供給に貢献することが期待されている。

この製品は、防水構造IP67やTEDS対応、CE適合などの特長を持ち、半導体製造装置や精密加工機の適切な設置場所を検討したい、製造時の設置床における振動影響を把握したいといったニーズに応えることができる。

また、このセンサーは、小野測器のポータブルFFTアナライザー「CF-9400A」と組み合わせることで、床の振動評価で使用するトリパタイトグラフとVC曲線の表示をリアルタイム計測で実現する。これにより、現場ですぐに床の振動状況を把握し、周波数分析や固有振動数測定など、より詳細な波形解析が可能となる。