熱海に35年ぶりの新銭湯「渚ゆ」、昭和の面影残る渚町に10月開業

静岡県熱海市で35年ぶりとなる新しい銭湯「渚ゆ」が、2024年10月中旬にオープンする。株式会社マチモリ不動産と株式会社machimoriが、昭和の原風景が残る渚町の未活用物件をリノベーションして作った銭湯だ。

かつて熱海には多くの公衆浴場があったが、自宅で温泉を引けるようになり姿を消した。一方で「風呂なし住居」が多く残り、空き家率の高さにも影響している。「渚ゆ」は、現代版の共同浴場として新しい暮らしのカタチを作る起点となることを目指している。

マチモリ不動産は、熱海に残る地域資産を活かし、100年後も豊かな暮らしができるまちづくりを目指す「まちごと暮らし」というコンセプトを掲げている。machimoriは2015年から、街全体をひとつの宿と捉えて古い物件をリノベーションする「熱海まちやど構想」に取り組んできた。

「渚ゆ」は火曜と水曜が定休日で、14時から21時まで営業する。一般の大人は1,000円、小人は500円で入浴できる。近隣住民向けの会員制度もあり、単発利用は一律500円、月極は7,500円となっている。運営に関わる「湯守」会員も募集する。

9月21日からWebサイトで会員の募集を開始し、同日には内覧会とお披露目トークイベントも開催される。

マチモリ不動産の三好明代表は、「熱海の暮らしとともにある風景を残していきたい。『渚ゆ』をつくることで、『風呂なし物件』を『銭湯付き物件』に変えることができる」と語る。温泉地熱海で、誰もが毎日温泉に入って暮らせる未来の実現を目指している。