阪急阪神ら4社、デジタル×リアルでシニアの食事・運動を支援するサービス実証開始

阪急阪神ホールディングス、ウェルビーイング阪急阪神、おいしい健康、日立製作所の4社は、経済産業省の「令和6年度日常生活におけるPHRを活用したユースケース創出に向けた実証調査事業」に採択され、シニア層に向けたデジタル×リアルの食事・運動支援サービスの実証を行う。

実証では、2024年10月から12月にかけて、60歳以上のシニア層を対象に、各種アプリを通じて健康データや介護現場での情報連携等のPHRデータを収集。そのデータをもとに、健康状態に応じた料理レシピの提案や健康イベント、デイサービス、食品宅配、運動支援サービス等のリアルサービスを提供し、シニアの健康行動の継続と消費促進効果、事業者のサービス向上や経済効果の創出力を検証・評価する。

背景には、2040年度に約94兆円に達すると見込まれる日本の医療・介護費の増加があり、社会保障制度の充実とその費用抑制の両立が大きな社会課題となっている。特にシニア層では、疾患を発症している人が多く、医療費負担の増加要因の一つとなっている。

阪急阪神HDグループは、沿線住民の健康寿命の伸長に資する取組を推進してきた。本実証を通じて、シニア層の疾病予防や再発・重症化予防をサポートし、支援者の介護による離職防止、生産年齢人口の確保、元気な沿線住民による消費促進を通じた地域経済の活性化をめざす。さらに、2025年度以降には、関西から関東、全国へとモデル展開をめざしている。

PHRアプリ「いきいき羅針盤」

実証では、健康に不安のあるシニア層に、デイサービス等のリアルの場でPHRアプリをダウンロードしてもらい、使い方のサポートを行う。アプリで収集したPHRデータを活用し、個人にあわせたウェルネスプログラムや食材セットの宅配等、運動・食事支援を提供。また、健康イベントで専門家から健康アドバイスを受けることができる。

このように、デジタルとリアルのサービスを受けながら健康行動を継続させることで、QOLの維持向上につながるかどうか、また事業者においては新たなサービスや利用者の拡大につながるかどうかを検証する。そして、健康な生活への行動変容や継続、ヘルスリテラシーの向上に加え、経済効果も生み出す好循環モデル・エコシステムの構築に取り組む。

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