ポーラ化成工業、ジュリークの植物エキス多段階抽出法の有用性をIFSCCで発表へ
ポーラ・オルビスグループのポーラ化成工業株式会社は、グループ傘下のオーストラリア発祥化粧品ブランドJurlique独自の植物エキス製造法について、生体への有用性を科学的に検証しました。1種類の植物から複数の抽出法を用いて得られた成分を組み合わせることで、皮膚の細胞機能を包括的に活性化できることを確認しています。本研究成果は、2026年9月28日~10月1日に開催される第36回国際化粧品技術者会連盟(IFSCC)世界大会で発表される予定です。

1種類の植物から機能を最大限に引き出す研究背景
従来の植物エキス製造においては、単一の抽出法で得られる成分が限られるため、未利用のまま残される成分が存在していました。また、十分な機能性を得るために異なる植物のエキスを組み合わせる必要があり、植物資源の有効活用という観点で改善の余地がありました。
今回の研究はこれらの課題に対応し、1種類の植物から最大限の機能を引き出すサステナブルな設計思想を提案するものです。ジュリークでは、同じ植物原料から複数の方法で成分を順に抽出し、それらを組み合わせた多段階抽出混合エキスを化粧品に配合する手法を伝統的に受け継いできましたが、高い効果が得られるメカニズムの科学的解明が進められていました。
ジュリークで実践されている多段階抽出およびエキスを混合して配合する手法は、バイオイントリンジック(BIO-INTRINSIC)法と呼ばれています。本研究では、オーストラリアのジュリーク農場で収穫されたラベンダーを対象に、蒸気蒸留・プロパンジオール抽出・灰化ミネラル抽出という3段階に分けて抽出した3種類のエキスを用い、皮膚の細胞に対する作用を遺伝子オントロジー(GO)エンリッチメント解析によって評価しました。

検証の結果、抽出法の異なるエキスはそれぞれ異なる働きを持つことが確認されました。細胞の自己浄化システムであるオートファジーに着目した分析では、3つのエキスを組み合わせることでオートファジーの異なる段階が同時に活性化することが判明しました。さらに、細胞内で情報を伝達するcAMP代謝プロセスにおいて、単独のエキスでは確認できなかった新しい機能が現れる例も見いだされています。


第36回IFSCC世界大会での発表概要
本研究成果は、世界各国の化粧品技術者や研究者が集まる第36回国際化粧品技術者会連盟(IFSCC)世界大会にて発表されます。ポーラ化成工業は本技術をサステナブルビューティー実現の新しいアプローチと位置づけ、今後も多様な植物への応用や成分設計の研究を進めるとしています。
発表の詳細は以下の通りです。



- 発表論文名:『植物の力を “丸ごと活かす” 新たな抽出設計思想で植物エキスの化粧品効果を解き放つ』(英文名:Unlocking Novel Functional Cosmetic Benefits via an Unprecedented Design Philosophy for Extracting Plants)
- 発表者:後藤悠、清野亜美、本郷麻耶、小林和法、今村仁(ポーラ化成工業株式会社)、Valerie Laviolette、Cherie Hutchinson(Jurlique International Pty. Ltd.)
- 発表日程:2026年9月28日~10月1日
発表元の概要
ポーラ・オルビスグループで研究・開発・生産を担うポーラ化成工業株式会社は、神奈川県横浜市に本社を置き、社長を鶴岡宏樹が務めています。また、本研究の対象技術を有するジュリークは、1985年に南オーストラリア・アデレードで誕生し、オーストラリア持続可能農業協会(NASAA)の認定を受けた自社農園を所有する化粧品ブランドです。2024年2月25日には世界的な認証制度であるB Corporation認証を取得しています。
本記事はポーラ化成工業株式会社の発表をもとに作成しています。
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