国内景気が2カ月連続で改善、製造業や観光がけん引

株式会社帝国データバンクが発表した2024年8月の国内景気動向調査によると、景気DIは前月比0.5ポイント増の44.3となり、2カ月連続で改善した。国内景気は、観光産業や季節的な需要がけん引し、全体の景況感を押し上げた。

業界別では、製造業など10業界中7業界で改善し、悪化は3業界だった。特に、外出機会の増加や猛暑、備蓄品の駆け込み需要などで飲食、食品製造など幅広い業種へ好材料が波及した。地域別では、10地域中9地域が改善、1地域が悪化。月半ばでの地震発生や後半の台風上陸があったものの、各地の観光関連や地場産業の押し上げがプラス要因となった。

規模別では、「大企業」が横ばい、「中小企業」と「小規模企業」はともに改善した。夏本番を迎え、お盆シーズンでの人出の増加により夏祭りなどイベント関係を中心に好調な声があがった一方で、南海トラフ地震臨時情報や台風の上陸にともない、経済活動が抑制されたといった声も複数寄せられた。

今後の景気は、海外の状況など不透明な要素もある一方で、IT関連の投資など好材料も多く、底堅く推移していくとみられる。実質賃金の上昇の継続性のほか、市場金利や外国為替レートの動向、米大統領選の行方などが注目される。

企業からは「海外観光客の増加、ビアガーデンを始めとするイベントの活況、設備投資など、街の活気が回復している」(北海道、金融)、「天候に恵まれ、夏祭りが開催されて人出が増加」(青森県、飲食料品卸売)といった前向きなコメントがある一方、「地震や台風などで風評被害的な経済活動の抑制が働き、夏の繁忙期に大打撃となった」(静岡県、旅館・ホテル)といった厳しい声も聞かれた。