MiZ、新生児HIE研究と実証データに基づく安全な低濃度水素吸入を提言
MiZ株式会社は、新生児低酸素性虚血性脳症(HIE)モデルを対象とした共同研究論文や名古屋大学医学部の知見をもとに、「母体―胎児―新生児連続型レドックス保護」構想を発表しました。同社はこれまでの学術検証に基づき、高濃度水素吸入に伴う爆発リスクを指摘するとともに、吸入環境実証値である10 体積%以下に抑えた安全な低濃度水素吸入への転換を提言しています。
新生児HIEモデルに対する低濃度水素吸入の神経保護効果
MiZ株式会社は、中南大学湘雅第三医院、国立成育医療研究センター、国立感染症研究所との共同研究により、新生児ラットの新生児低酸素性虚血性脳症(HIE)モデルに対する低濃度水素吸入の効果を検証した2つの論文を発表しました。
Wu et al.(2019)では、生後7日齢ラットのHIEモデルに対して2体積%の水素を30、60、90分間吸入させたところ、ミクログリアの過剰活性化や炎症関連因子IL-1βおよびNF-κB、細胞死関連因子のリン酸化JNKおよびp53の増加が抑制され、大脳皮質や海馬における神経細胞アポトーシスが軽減しました。モリス水迷路試験においても空間学習・記憶障害の改善が認められ、神経保護効果は60〜90分間の吸入でより明瞭であったと報告されています。
また、Wang et al.(2020)では、3体積%の水素吸入によりHMGB1/TLR4経路およびBAX/caspase-3経路が抑制され、MAPK/Nrf2/HO-1/PGC-1α/SIRT1を介する細胞防御系が調節されることで、抗酸化防御機構とミトコンドリア恒常性が維持されることが示されました。HIE誘発12時間後に吸入を開始した場合にも一定の保護効果が認められた一方、24時間後の開始では効果が限定的であったとしています。

母体から新生児へつながる連続型レドックス保護構想

周産期領域における水素研究は、名古屋大学医学部によっても複数の報告がなされています。Mano et al.(2014)の母体水素水投与による胎盤・胎児海馬の酸化傷害軽減をはじめ、Nakano et al.(2015)による胎児脳の8-OHdG・IL-6・アポトーシス増加抑制、Hattori et al.(2015)の胎児肺傷害軽減、Imai et al.(2016)の活性化ミクログリア抑制、Nakano et al.(2018)の炎症性早産モデルにおける分娩遅延効果(18.3→33.5時間)などが示されてきました。

これらの知見と主論文2報を統合し、妊娠期から出生後にかけて酸化・炎症性傷害や二次性脳障害を連続的に抑制する「母体―胎児―新生児連続型レドックス保護」作用の可能性が示されています。
高濃度水素吸入の危険性と吸入環境実証値10体積%
吸入環境における安全性について、MiZ株式会社と慶應義塾大学等は査読論文(Kurokawa et al., 2015, 2019; Ichikawa et al., 2023, 2026)を通じて検証を重ねてきました。
日常の吸入環境では、水素濃度が10 体積%を超えると爆発の危険性が生じます。古典的爆発下限界(LFL)の4 体積%(Coward & Jones, 1952)が密閉系を対象とした理論最小値であるのに対し、10 体積%は開放系での拡散や流動気体としての条件を加味した吸入環境実証値です。
装置出力濃度が67〜100 体積%に達する高濃度水素吸入器では、呼気や吸気と混ざり体内で爆発範囲に達する恐れがあり、消費者庁 事故情報データバンクシステムにも人体内部での爆発事故を含む重大事例が報告されています。
- 顔面複雑骨折(2025年2月、エステ店、事案No.508163)https://www.jikojoho.caa.go.jp/ai-national/accident/detail/508163?kind=1&menu=nolink
- 内臓組織破裂(2024年10月、自宅、事案No.496203)https://www.jikojoho.caa.go.jp/ai-national/accident/detail/496203?kind=1&menu=nolink
- 気管支穿孔・大量出血(2024年9月、自宅、事案No.496928)https://www.jikojoho.caa.go.jp/ai-national/accident/detail/496928?kind=1&menu=nolink
- 顔面内骨折(2024年1月、自宅、事案No.478324)https://www.jikojoho.caa.go.jp/ai-national/accident/detail/478324?kind=1&menu=nolink
- 装置蓋飛散による耳鳴り(2016年2月、事案No.264488)https://www.jikojoho.caa.go.jp/ai-national/accident/detail/264488?kind=1&menu=nolink
- 装置破裂による聴力低下(2015年1月、事案No.248208)https://www.jikojoho.caa.go.jp/ai-national/accident/detail/248208?kind=1&menu=nolink
さらに、神奈川県海老名総合病院救命救急センターの2024 年論文でも、温熱療法と水素吸入の併用中に肺挫傷(吸入燃焼性肺損傷)に至った事例が報告されており、いずれも吸入環境実証値10 体積%を上回る装置で発生しています。
周産期医療における展望と安全設計への転換
低濃度水素吸入は、緊急帝王切開や治療的低体温療法などの標準治療を代替するものではなく、補助療法としての位置付けが想定されています。特に複数の医療機器が近接する周産期や新生児の医療現場では、出力濃度を10 体積%以下に保つ本質的安全設計が不可欠とされます。
同社は一般消費者や医療施設管理者向けに啓発資料『はじめての水素吸入器選び-考え方の整理』を公開し、安全な機器選択の支援を行っています。
会社情報
- 商号:MiZ株式会社
- 所在地:〒247-0056 神奈川県鎌倉市大船2丁目19番15号
- 公式サイト:https://e-miz.co.jp/
- 電話番号:0467-53-7511
- 啓発配布ページ(水素吸入器の安全な選び方|高濃度水素吸入器の事故報告と防止策(MiZ)):https://e-miz.co.jp/pressrelease/pressrelease15.html
本記事はMiZ株式会社の発表をもとに作成されています。
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