ベルトルッチ監督作『暗殺の森』無料公開

イタリア映画の名作『暗殺の森 [4K修復版]』が、2024年4月12日(金)21時から2週間限定でYouTubeで無料公開される。これは、Amazonプライム会員向けの配信サービス、Prime Videoチャンネル「シネフィルWOWOW プラス」の公式YouTubeによる企画である。公開される作品は、ベルナルド・ベルトルッチ監督が29歳の若さで名を馳せた作品であり、ファシズムの発生と崩壊を描いた名作である。

本作は、第二次世界大戦前夜のイタリアを舞台に、ファシスト政権下に生きる順応主義者の末路を描いている。主演は名優ジャン=ルイ・トランティニャンで、撮影はヴィットリオ・ストラーロが担当している。ストラーロは、『ラストエンペラー』や『地獄の黙示録』などの作品でもその才能を発揮しており、映画撮影の歴史において最も重要な作品と讃える人も多い。

また、この無料公開を記念して、『暗殺の森【4K修復版】 UHD+Blu-ray』のブックレットの解説原稿の前半部分が、noteで期間限定無料公開される。解説原稿は、小野里 徹氏(POSTER-MAN)によるもので、映画の製作秘話や俳優たちとの出会い、リドリー・スコットやポール・シュレイダーをはじめとする映画作家や撮影監督たちに与えた影響などが詳しく書かれている。

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『暗殺の森』は、青年マルチェッロが少年期に知り合った同性愛者の運転手を射殺したトラウマから「普通である」ことへの執着が芽生え、ファシズムに加担するというストーリーである。彼は、国家のためにかつての恩師であり、今はパリで反ファシズム運動を展開しているクアドリ教授に接近し、反政府主義者をあぶりだそうと画策する。しかし、新妻ジュリアとの新婚旅行としてパリを訪れ、クアドリ邸に足を踏み入れると、教授の若き妻アンナに魅了され、計画が揺らぎ始める。

このようなストーリー展開と、ベルトルッチ監督とストラーロの名コンビによる映像美が、映画ファンには見逃せない要素となっている。無料公開期間は2週間と短いため、見逃さないようにしよう。