岡山大など、AYA世代の早期口腔がんの特徴と予後を左右する指標を解明
国立大学法人岡山大学学術研究院医歯薬学域の小野早和子助教らは、大阪大学、大阪歯科大学、香川大学、長崎大学、新潟大学、日本歯科大学、藤田医科大学、松本歯科大学との多施設共同研究により、思春期・若年成人(AYA:15~39歳)世代に発症する早期口腔扁平上皮癌の臨床病理学的特徴と予後予測因子を解明しました。
研究成果は、2026年7月31日(日本時間)に北米頭頸部病理学会公式科学誌「Head and Neck Pathology」に掲載され、2026年9月18日に公開されました。
AYA世代における早期口腔がんの特徴


口腔扁平上皮癌は主に高齢者に発症する病気ですが、近年はAYA世代での発症とその増加も報告されています。一方で、AYA世代では発症頻度が低いため、特に早期がんにおける特徴や予後に関する十分な知見がありませんでした。
本研究において各施設からAYA世代の症例を収集して包括的な解析を行った結果、AYA世代の早期口腔がんは高齢者とは異なる特徴を持つことが明らかになりました。具体的には、病変が舌に発生しやすく、白板症のように粘膜表面を広がる表在型が多いことが示されています。
予後予測因子としての腫瘍の深さ(DOI)
解析の結果、腫瘍の深さ(DOI)がリンパ節転移や患者予後を予測する指標であり、予後を左右する最も重要な因子であることが判明しました。


小野早和子助教は「口腔がんは高齢者の病気というイメージがありますが、若い世代にも発症することがあります。本研究が、若年患者さんの早期診断や適切な治療方針の決定につながり、将来的には予後の改善に貢献できることを期待しています」とコメントしています。
研究グループは、本研究成果によって若年者口腔がんへの理解が深まり、早期診断や適切な術後管理、AYA世代に特化した診断・治療戦略の確立、さらには予後の改善につながることが期待されるとしています。なお、本研究は厚生労働科学研究費(24K19859)の支援を受けて実施されました。
論文情報
発表された論文の詳細は以下の通りです。
- 論文名:Early-stage Oral Squamous Cell Carcinoma in Adolescents and Young Adults Compared with Older Patients Exhibits Distinct Clinicopathological Features
- 掲載誌:Head Neck Pathol. 2026 Jul 31;20(1):88.
- 著者:Sawako Ono, Katsutoshi Hirose, Hotaka Kawai, Tatsuya Abe, Shintaro Sukegawa, Masanori Masui, Chihoko Ikeda, Madoka Isomura, Yuri Tachibana, Junya Ono, Katsumitsu Shimada, Hitoshi Nagatsuka, Hidetaka Yamamoto,
- DOI:10.1007/s12105-026-01944-w
- URL:https://link.springer.com/article/10.1007/s12105-026-01944-w
本記事は国立大学法人岡山大学の発表をもとに作成しました。



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