文京学院大学と髙島屋、AIを活用して開発した新作江戸小紋2柄を10月より発売へ
文京学院大学と株式会社髙島屋は、産学連携による「ヒト×AIの共生による地域産業活性化プロジェクト」(通称:令和小紋プロジェクト)の成果として、新作江戸小紋2柄「オーケストラ」および「葡萄と栗鼠(ぶどうとりす)」を開発しました。これらの商品は、2026年10月7日(水)より髙島屋の各店舗(5店舗)とジェイアール名古屋タカシマヤにて発売される予定です。大学側が開発したAIを図案制作支援に活用し、伝統工芸士の職人が監修・制作を手がけることで、約1年の試作と検証を経て商品化に至りました。
江戸小紋は、遠目には無地に見えるほど細かな模様を型染めで表現する伝統的な染色技法です。なかでも複数のモチーフを配置する「けれんもの」と呼ばれる柄は高度な技術が必要とされますが、着物市場の縮小や職人の高齢化、図案家の減少により分業体制の維持が難しくなり、新作がほとんど見られない状況となっていました。こうした背景を受け、消滅の危機にある図案制作の知見を未来へつなぐため、AIと職人が協働するものづくりの実証として本プロジェクトが始動しました。
文京学院大学経営学部の経営史研究ゼミ(担当教員:川越仁恵教授)は、江戸小紋の古い作例の分析を通じて2022年4月に図案制作理論を体系化しました。2025年4月からは、データサイエンス研究ゼミ(担当教員:吉田啓佑助教)がAIを活用した「江戸小紋デザイン支援アプリケーション」の開発プロジェクトを受託しました。さらに同年9月には株式会社髙島屋と産学包括連携協定を締結し、プロジェクトを進めてきました。
本システムでは、過去の江戸小紋作品や型紙の分析から、新たなモチーフを入力すると伝統的な美意識に沿った配置案を生成する独自のAIを開発しています。AIが生成した図案をもとに、モチーフの向きや配置バランス、染め上がり時の見え方などを熟練職人が監修・調整することで作品を完成させており、AIは職人に代わるものではなく職人不足を補うものとして位置づけられています。
伝統技法を取り入れた2つの新作江戸小紋
今回商品化された新柄は、「オーケストラ」と「葡萄と栗鼠」の2柄です。髙島屋の呉服部バイヤーや若手社員、文京学院大学の学生によるアイデアをもとに、AIによる図案生成(点描化とモチーフの配置作業)、型紙制作、染色の工程を経て制作されました。

型紙制作には、専用の錐を使って極小の穴を開けながら模様を表現する伊勢型紙の伝統技法「錐彫り」を採用しています。さらに、型紙を用いて模様を生地に写し取る「型付け」や、色糊を生地全体に均一に塗り広げる「しごき染め」の工程を経て染め上げられています。一部の商品は表裏で異なる色に染め上げたバイカラー仕様となっており、単衣仕立ての際に袖口や裾からのぞく配色を楽しめる仕立てです。カラー名は日本の伝統色から名付けられています。
商品概要および巡回販売スケジュール



商品の概要は以下の通りです。
- 江戸小紋 「オーケストラ」
- カラーバリエーション:橡(つるばみ)/深緋(こきひ)、樺茶(かばちゃ)/黄支子(きくちなし)、曙(あけぼの)、水浅葱(みずあさぎ)、若竹(わかたけ)
- 販売価格(税込):330,000円から
- 江戸小紋 「葡萄と栗鼠」
- カラーバリエーション:樺茶(かばちゃ)/黄支子(きくちなし)、滅紫(けしむらさき)、曙(あけぼの)、水浅葱(みずあさぎ)、若竹(わかたけ)
- 販売価格(税込):330,000円から
※両商品とも反物販売(表地・八掛付)。お仕立ての上2027年1月以降のお渡し。別染め対応可(承り日から約3か月後のお渡し)。
販売は日本橋店を皮切りに、以下のスケジュールで巡回展示販売が実施されます。




- 10月7日(水)~13日(火):日本橋店 本館7階 呉服サロン
- 10月21日(水)~27日(火):京都店 5階 呉服売場
- 11月4日(水)~10日(火):大阪店 6階 きもの売場
- 11月18日(水)~24日(火):ジェイアール名古屋店タカシマヤ 11階呉服売場
- 12月2日(水)~8日(火):横浜店 7階 特選呉服
- 12月16日(水)~22日(火):新宿店 11階 呉服サロン
本記事は文京学院大学の発表をもとに作成されています。
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