HIROTSUバイオサイエンス N-NOSE自動化でも手動と同水準の分析性能を確認
株式会社HIROTSUバイオサイエンスは、線虫の嗅覚を活用したがんの一次スクリーニング検査「N-NOSE®」について、実際の検査運用環境で9ヶ月間にわたり取得した品質管理(QC)データを用い、手動プロセスと自動解析装置(CSA)を使用した自動化プロセスの分析性能を比較検証した。検証の結果、本研究の条件下において手動プロセスと自動化プロセスの間で線虫走性の分離性能に意味のある差は認められず、同水準の分析性能が得られることが確認された。本研究成果は、国際的な査読付きオープンアクセス学術誌『Biomedicines』に掲載された。
実運用環境における9ヶ月間の品質管理データを比較
N-NOSE®は、線虫が尿中のがんに関連する匂いに対して示す走性を利用した検査である。提供規模の拡大に向けては、研究段階の手動ワークフローから大量の検体を安定的に処理できる自動化プロセスへの移行が必要とされていた。
自動解析装置(CSA)は、線虫そのものがバイオセンサーとして機能する検出原理はそのままに、線虫や検体の取り扱い、位置計測などの周辺工程を機械化・自動化した装置である。今回の研究では、自動化によって分析性能が損なわれていないことを確かめるため、2023年1月から9月までの9ヶ月間にわたり取得されたQCデータを用いた検証が行われた。福岡R&Dセンターで実施される臨床研究での手動ワークフローと、東京検査センターで実施されるCSAによる実検査での自動化ワークフローの分析性能がSide-by-Sideで比較された。
分析性能の維持を確認し標準化や大量処理の基盤に
解析の結果、自動化プロセスでも手動プロセスと同水準の分離性能が得られることが確認された。手動からCSAへ移行しても生物学的センサーは線虫そのものであり、分析性能に影響が生じないことを実運用環境で確認したことは、検査工程の品質管理や標準化を進める上で重要な知見となる。
本成果は、N-NOSE®の検査工程を自動化しても分析性能が損なわれないことを支持する実運用環境下でのエビデンスであり、大量検体処理体制の構築や、海外展開を見据えた規制対応の研究開発における基礎データとして活用される。なお、本研究は検査工程における分析性能を比較したものであり、N-NOSE®のがんスクリーニング検査としての臨床性能を比較・評価したものではないとしている。
今後の展望
株式会社HIROTSUバイオサイエンスは、今回の研究で得られた知見を活かし、検査工程のさらなる標準化や品質管理の強化、安定的な大量検体処理体制の構築を進める。また、海外での事業展開を見据えた各国・地域での規制対応に必要な研究開発を引き続き進め、がんの早期発見につながる一次スクリーニングの普及に貢献していく方針を示している。
掲載論文情報
- 論文題目:Manual and Fully Automated Chemotaxis-Based Cancer Screening Yield Equivalent Performance: A Nine-Month Real-World, Side-by-Side Study of the N-NOSE Workflow
- 著者:Hideyuki Hatakeyama, Masayo Morishita, Hirotaka Oshida, Takaaki Hirotsu, Eric di Luccio** Corresponding Author
- 掲載雑誌:Biomedicines,2026, 14(7), 1567
- 公開日:2026年7月13日
- URL/DOI:10.3390/biomedicines14071567
本記事は株式会社HIROTSUバイオサイエンスの発表をもとに作成されています。

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