グローバルファンドが2026年成果報告書を発表 累計7200万人の命を救う
世界エイズ・結核・マラリア対策基金(グローバルファンド)は、エイズ・結核・マラリアの三大感染症対策に関する最新の成果をまとめた「2026年成果報告書」を発表しました。2002年の設立から2025年末までに7200万人の命を救ってきた実績などが報告されています。東京のグローバルファンド日本委員会(公益財団法人 日本国際交流センター内)からも、報告書の要点が紹介されました。
2025年の支援実績と直面した課題

2025年は、国際的な支援資金の急激かつ広範な削減に加え、紛争や避難民、深刻化する人道的ニーズなど、グローバルヘルスにとって非常に厳しい環境となりました。そうした状況下でも各国やコミュニティ、パートナーによる取り組みが続けられ、保健医療サービスと対策の成果が維持されました。
2025年におけるグローバルファンドの支援実績として、支援する国々において2690万人が抗レトロウイルス治療を受け、740万人が結核治療を受け、1億9600万張の殺虫剤処理蚊帳が配布されました。一方で、支援資金をめぐる混乱に伴い、HIV/エイズ予防サービスの縮小・中断や、結核の発見・診断・治療への影響、マラリアの必須医薬品の在庫切れや予防キャンペーンの遅延などが生じたことも示されています。
新技術の導入と持続可能な保健システムへの投資
厳しい環境のなかでも、限られた資源で成果を生み出すための新たな技術導入が進められています。HIV予防の長期作用型抗HIV薬「レナカパビル」、AIを活用した結核のデジタルX線診断、マラリアの次世代蚊帳などの活用が広がっています。

あわせてグローバルファンドは、各国による共同出資・自己負担(コ・ファイナンス)を通じた国内資金の拡充や、保健財政に関する対話・改革、自国の保健システムへの統合を進め、外部支援への依存を減らす取り組みを行っています。2024~2026年には、保健システムの強化・構築に過去最大規模となる約59億米ドルを投資し、疾病サーベイランス、サプライチェーン、保健人材、プライマリーヘルスケアなどの基盤強化を図っています。
関連組織の概要
- 世界エイズ・結核・マラリア対策基金(グローバルファンド)
低・中所得国の三大感染症対策を支える官民連携基金。事務局はジュネーブ。国際社会から資金を調達し、低・中所得国が自ら行う三疾病の予防、治療、感染者支援、保健システム強化に資金を提供している。
- グローバルファンド日本委員会
グローバルファンドを支援する日本の民間イニシアティブ。公益財団法人 日本国際交流センターのプログラムとして運営され、理解促進や政策対話、共同研究などを実施している。
- 公益財団法人 日本国際交流センター
民間レベルでの政策対話と国際協力を推進する公益法人。「人間の安全保障」の視座のもと、外交・安全保障、グローバルヘルスなど多角的なテーマで活動を行っている。
本記事は世界エイズ・結核・マラリア対策基金(グローバルファンド)およびグローバルファンド日本委員会の発表をもとに作成しました。
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