HashPortと日立、生体認証技術を活用したWeb3ウォレットに関する協業開始

株式会社HashPortと株式会社日立製作所は、生体認証技術を活用した安心・安全・便利なWeb3ウォレットの社会実装に向けた協業を開始すると発表した。

この協業では、HashPortが提供するWeb3ウォレット基盤「Hash Wallet」に、日立の公開型生体認証基盤「PBI」を組み込む。これにより、ユーザーは事前に設定した生体情報の認証(顔認証)により本人確認ができるようになり、Web3ウォレットを活用した暗号資産取引や、DID・NFT・SBTの利用におけるセキュリティとユーザーエクスペリエンスの向上が期待される。

近年、ブロックチェーン技術の進化により、ユーザーがブロックチェーンネットワーク上の自身のデジタル資産を管理できるWeb3ウォレットが注目を集めている。Web3ウォレットには、ユーザーが資産にアクセスするための秘密鍵を暗号資産交換業者などの第三者が管理する「カストディアルウォレット」と、ユーザーが秘密鍵を直接管理する「ノンカストディアルウォレット」がある。カストディアルウォレットのハッキングや暗号資産流出などを防ぐため、より安全でリスクの低いノンカストディアルウォレットの普及が世界的に進められている。

HashPortは、ノンカストディアルウォレット基盤「Hash Wallet」を提供しており、大阪・関西万博の公式ウォレットアプリ「EXPO2025デジタルウォレット」をはじめとする複数のプロジェクトの基盤として採用されている。

Hash WalletとPBIの連携により、以下のようなメリットが期待される。

  1. 生体認証での鍵管理:従来のノンカストディアルウォレットでは、秘密鍵の管理のためにユーザーが設定したパスコードをユーザー自身が管理する必要があるが、生体認証技術を組み込むことで、パスコード無しでブロックチェーンネットワーク上の自身のデジタル資産の管理が可能になる。

  2. セキュリティリスクについて高い安全性を確保:PBIは、ウォレットの秘密鍵を生体情報により暗号化して本人以外には復元できない形に変換するため、万が一、生体情報が漏えいしても悪用される心配はなく、高い安全性を確保できる。

HashPortと日立は、NFTの利用やイベント/施設の入退場管理をはじめとしたさまざまなシーンにおいて、PBIを適用したHash WalletによるWeb3ウォレット体験の提供を検討している。両社は今後も、ブロックチェーン技術を活用した新たな事業創出や顧客体験価値の向上を支援し、安心・安全かつスマートなデジタル社会の実現に貢献していく方針だ。