DNPの電波反射板PASREACH、ドコモ等の協力イベントで5G通信改善の有効性確認
大日本印刷株式会社(DNP)が提供する特殊な電波反射板「DNPリフレクトアレイ PASREACH®(パスリーチ)」が、通信事業者の協力する大規模イベントに採用され、通信環境向上への有効性が確認されました。株式会社NTTドコモと日本コムシス株式会社が協力するイベント、およびソフトバンク株式会社が協力するイベントの2件において実証が実施されました。5Gの異なる周波数帯(Sub6帯/ミリ波帯)を用い、基地局からの電波を対象エリアへ効率的に反射することで、通信エリアの補完・拡張やネットワーク負荷分散に貢献したとしています。
大規模イベントにおける通信環境の課題と導入の背景
大規模イベントや駅、商業施設などでは、利用者の集中によって通信需要が増加し、通信品質の低下が課題となっています。また、5G周波数帯の電波は遮蔽物の影響を受けやすいため、通信エリアを効率的に拡張・補完する技術が求められる一方、新たな基地局の設置には工事期間や導入コストなどの課題が存在します。こうした背景から、DNPは人が集まる大型イベントでの通信品質向上ソリューションとして「PASREACH」の活用を進めています。
NTTドコモ・日本コムシス協力イベントでの実証(Sub6帯)
国内外から多数の来場者が訪れた首都圏の大規模イベントでは、通信トラフィックの大幅な増加が見込まれたことから、ドコモが臨時基地局の設置などを実施しました。これにあわせ、日本コムシスとDNPがPASREACHを設置し、位置や反射方向を最適化しました。移動基地局車から送信されるSub6帯5G電波を湾岸エリアなどの通信品質対策対象エリアへ反射させることで、通信品質の向上とネットワーク負荷分散を実現しました。スマートフォン等の受信レベルとスループット(通信速度)を計測した結果、設置後に指標が改善し、快適に通信できるエリアの拡大が確認されました。
大規模屋外イベントにおいては、基地局から直接電波が届きにくいエリアに対し、ミリ波(高周波電波)を反射させて通信可能エリアを拡張しました。反射されたミリ波はCPE(Customer Premises Equipment:5G基地局からの電波を受信して敷地内のデバイスにインターネット接続を提供する装置)で受信され、Wi-Fiとして来場者向けに提供されました。これにより、基地局からの電波が届きにくいエリアでの通信環境構築と、来場者が利用できる通信エリアの拡張に対する有効性が確認されました。
DNPリフレクトアレイ PASREACH®(パスリーチ)には、主に以下のような特長があります。
- 電源・無線局免許申請が不要:反射板で受けた電波を増幅しないパッシブ型のため、電源設備や追加の免許申請が不要で、短期間での導入が可能です。
- 異なる周波数帯に対応:5GのSub6帯とミリ波帯に対応するほか、次世代の6G通信で採用が検討されているFR3(Frequency Range 3/7.125~24.25GHz)にも対応可能です。
- 電波を最適な方向へ反射:電波の入射方向や反射方向を独立して設計でき、反射波の広がり方も最適化できます。利用環境に応じたシミュレーションにより最適な設計を行い、通信品質の改善効果を事前に確認できます。
- 屋内外への設置・デザイン対応:屋内外の多様な環境に設置可能で、景観や施設デザインに調和した意匠にアレンジできます。
- 省エネルギーに貢献:新たな設備増設や通信設備全体の消費電力を抑制し、持続可能な通信インフラの構築に貢献します。
DNPは今後、通信事業者や施工パートナーとの連携を強化し、イベントに加えて駅構内、地下空間、工場、物流施設、商業施設、オフィスビルなどへの導入を進める方針です。さらに、設計・シミュレーション技術の高度化や製品ラインアップの拡充を通じ、Beyond 5G/6G時代の通信インフラの高度化と周波数利用効率の向上に貢献していくとしています。
本記事は大日本印刷株式会社の発表をもとに作成されています。
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