Raspberry Pi財団、独自開発の最新マイコン「RP2350」と「Raspberry Pi Pico 2」を発表

Raspberry Pi財団は2024年8月9日、高性能かつセキュアに進化した独自開発の最新マイコン「RP2350」と、それを搭載した開発ボード「Raspberry Pi Pico 2」を発表した。

「RP2350」は、Cortex-M用のArm TrustZoneを中心とした包括的なセキュリティアーキテクチャを提供する。署名付きブート、キーストレージ用の8KBアンチヒューズOTP、SHA-256アクセラレーター、ハードウェアTRNG、高速グリッチ検出器などを組み込んでいる。これらの機能は広範囲にドキュメント化されており、すべてのユーザーが制限なく利用できる。

一方、「Raspberry Pi Pico 2」は、旧来のPicoシリーズと比べてコアクロックが向上し、SRAMとオンボードフラッシュが倍増。強力になったArmコアとオプションのRISC-Vコアを搭載し、新しいセキュリティ機能やインタフェースのアップグレードを実現した。ハードウェアとソフトウェアの互換性を保ちつつ、性能と機能を向上させている。

型番 RPI-SC1631
商品名 Raspberry Pi Pico 2 
価格(消費税込み) 990円

「Raspberry Pi Pico 2」は、業界標準のArm Cortex-M33コアのペアと、オープンハードウェアのHazard3 RISC-Vコアのペアから選択できる。C/C++およびPythonでプログラム可能で、詳細なドキュメントが付属しており、メイカーにもプロの開発者にも理想的なマイコンボードだ。

株式会社スイッチサイエンスでは、「Raspberry Pi Pico 2」を近く販売開始するほか、「RP2350」や、同社で開発中の「RP2350」搭載開発ボードシリーズ「Picossci 2」についても、準備が整い次第販売開始の予定だ。「Picossci 2」シリーズとしては、ピッチ変換基板や、同社が提唱するConta規格のベースボード、Conta規格標準モジュール外形の小型基板、自作キーボード等によく利用されるSparkFun社製マイコンボード「Pro Micro」形状のピッチ変換基板などを準備中とのことだ。

Conta™ 規格とは、breakout基板の外形・コネクタ・信号配列などに一定の規約を設けることで、各基板間の相互接続性を確保するための規格

Raspberry Pi財団は、2009年に設立された英国を拠点とする慈善団体で、世界中の人々にコンピューティングとデジタル・メイキングの力を提供するための活動を行っている。今回発表された「RP2350」と「Raspberry Pi Pico 2」は、同財団のミッションを体現する製品と言えるだろう。