株式会社帝国データバンクが発表した2024年7月の企業倒産件数（負債1000万円以上の法的整理が対象）は920件で、前年同月比31.2％増となり、27カ月連続で前年同月を上回った。7月としては2013年以来、11年ぶりに900件を超えた。

負債総額は7769億3100万円で、前年同月比330.5％増と5カ月ぶりに前年同月を上回った。負債トップは航空機製造のMSJ資産管理（旧：三菱航空機）で6413億円だった。

業種別では7業種中6業種で前年同月を上回り、『サービス業』が240件で最多だった。増加率は『製造業』が92.1％増で最も高く、約9年ぶりに120件を超えた。

主因別では『不況型倒産』が763件で27カ月連続で前年同月を上回った。態様別では「破産」が847件で最も多く、28カ月連続で前年同月を上回った。規模別では負債「5000万円未満」が542件で最多。資本金『個人＋1000万円未満』は全体の72.6％を占め、過去最高に並んだ。業歴別では『新興企業』が286件で、12年ぶりに10カ月連続で200件を上回った。

地域別では2カ月ぶりに全9地域で前年同月を上回り、『近畿』は「滋賀」が約15年ぶりの高水準となった。増加率は『中国』が最も高かった。

今後は利上げによる家計や企業への影響に注視が必要だ。また、事業や雇用を存続させる法的整理スキームの活発化が予想される。2024年の企業倒産は現状のペースが続けば年間1万500件前後に達する見通しだ。