AI LibrariumとThings、製造業向け統合オファリング共創で業務提携
AIコンサルティングやAIエージェント開発を手がけるAI Librarium株式会社と、エンジニアリングチェーン基盤「PRISM」を開発・運営する株式会社Thingsは、AIによる製造業の業務変革と知識継承を推進する新たな統合オファリング「AIL Manufacturing X Powered by PRISM」の共創に向け、業務提携を開始しました。
本オファリングは、データ基盤とノウハウの形式知化、現場への実装支援を一体で提供する構想です。両社は製品開発、設計、品質管理、生産、保全等の領域を対象に、顧客企業との共同検証を通じて提供内容を具体化していくとしています。
提携の背景と製造業が直面する課題
日本の製造業では、熟練技術者の設計判断やトラブル対応などのノウハウが品質と競争力を支えてきた一方、シニア世代の退職や若手人材の不足が進み、知見が十分に継承されないリスクが高まっています。また、図面やBOM、品質報告書などの情報が部門やシステムごとに分散しており、必要な情報を探すことに時間がかかるだけでなく、過去の判断経緯が残りにくい現状があります。
両社は、生成AIを導入しても参照データが整理されていなければ精度が担保できず、文書検索だけではベテランの判断基準を実務で再現することが困難であると指摘しています。製造業のAI活用を成果につなげるため、「AIが参照できるデータ」「AIが再現できる判断知」「現場に実装する人材」を一体で整備する必要があると考え、提携に至りました。
「AIL Manufacturing X」は、AI Librariumが展開する製造業向けAIトランスフォーメーションオファリングです。PRISMをAI-Readyデータ基盤として採用し、以下の3層を統合して提供します。
- AI-Ready Data Foundation:PRISMが図面・BOM・仕様書・品質文書等を整理・構造化し、製品情報をデジタルスレッドとして接続することで、AIが根拠となる製品情報を横断的に参照できる状態をつくる
- Manufacturing Skills:ベテランへの対話や具体事例の分析から着眼点・判断基準・手順・例外条件を抽出し、AIが実行可能なSkillへ変換して組織資産にする
- FDE Services:課題発掘、ユースケース選定、プロトタイピング、実装、評価、定着までFDE(Forward Deployed Engineer)が現場に伴走し、業務成果と継続改善につなげる
提携において、AI Librariumは製造業務の課題やAIユースケースの整理、暗黙知の抽出・構造化、Manufacturing Skillsの設計、FDEによる実装支援などを担当します。ThingsはPRISMの提供、製品文書の一元管理・構造化、デジタルスレッドおよびAI-Readyデータ基盤の構築などを担当します。
両社の代表は、人の記憶や個人に依存しがちな製造現場の知恵や判断理由を形式知化・データ化し、次世代の技術者やAIが活用できる仕組みを構築することを目指すとしています。
想定する活用領域と今後の展開
本オファリングでは、以下の領域での活用が想定されています。具体的な対象業務や機能、導入範囲、提供時期は顧客企業との検証および両社協議を踏まえて決定されます。
- 製品開発・設計:類似図面や類似設計の探索、設計変更の影響確認、設計レビュー支援、設計根拠の継承
- 品質管理:過去不具合・対策事例の検索、品質文書の作成・レビュー、FMEA・DRBFM等の未然防止活動支援
- 生産・工程:作業標準や変更履歴の活用、工程上の判断支援、熟練作業者のノウハウ継承
- 保全・アフターサービス:故障事例・保全記録の横断検索、原因仮説・確認手順の提示、対応品質の平準化
- 人材育成:ベテランの具体的事例と判断過程を教材・Skillとして再利用し、若手の立ち上がりを支援
今後は顧客企業との対話を通じて優先ユースケースを選定し、共同提案やワークショップ、PoC等を段階的に実施する方針です。第一段階では製品開発および品質管理領域を中心に検証を進め、将来的には領域別のManufacturing Skillsを蓄積し、企業の知が循環する仕組みの実現を目指すとしています。
会社概要
株式会社Things
- 所在地:東京都港区赤坂1-14-14 第35興和ビル4F 403
- 代表者:代表取締役CEO 鈴木 敦也
- 設立:2021年9月21日
- 事業内容:エンジニアリングチェーン基盤「PRISM」の開発・運営
- コーポレートサイト:https://things-inc.com/
AI Librarium (アイブリウム)株式会社
- 所在地:東京都千代田区丸の内1-6-5 丸の内北口ビルディング9F
- 代表者:代表取締役CEO 西川 智章
- 設立:2025年9月1日
- 資本金:1,500万円
- 事業内容:AIコンサルティング/AIエージェント開発/AI人材育成
- コーポレートサイト:https://ailibrarium.com/
本記事はAI Librarium株式会社および株式会社Thingsの発表をもとに作成されています。
ビジネスパーソンの課題解決と納得感にこだわるDellows News編集部。キャリア論からAI、健康法まで幅広い分野に対応し、複雑なテーマでも平易な言葉で丁寧に解説。読者が「明日から使える」知識やヒントを得られるよう、具体的な事例・データ・専門家の見解を交えて執筆。情報を整理し、納得感ある記事づくりを心がけています。



