Dellows News

Salesforce、AI実行基盤Enterprise AI Harness発表

米国Salesforceは、信頼できるエンタープライズAIの実行基盤として「Enterprise AI Harness」を発表した。コンテキスト、エージェンシー、アクション、ガバナンス、セキュリティ、モデルという6つの機能を統合し、共通のコンポーザブルなアーキテクチャを通じて提供する。あわせて、組織全体に広がるAIエージェントを一元的に把握・管理・制御するための「AI Control Plane」も発表された。

6つの機能でAIの確実な実行と管理を支える

Enterprise AI Harnessは、AIエージェントがビジネスを理解し、推論や計画を行い、企業の管理体制のもとで行動するために必要な要素を統合する基盤である。以下の6つの機能で構成されている。

  • Trusted Context:データ、メタデータ、セマンティクス、知識、リアルタイムシグナル、記憶などを統合し、顧客と周辺のビジネスに関する共通理解をAIに与える。
  • Trusted Agency:推論、計画、状態管理、記憶、協働、オーケストレーションを提供し、確率論的な推論と決定論的な制御を組み合わせる。
  • Trusted Action:アプリケーション、API、ワークフロー、ツール、業務プロセスへ安全に接続し、AIエージェントが実際に実行できるようにする。
  • Trusted Governance:データの来歴(リネージ)や品質管理、ガードレールを通じて、データ、メタデータ、ポリシー、プロセスの一貫した統制を支援する。
  • Trusted Security:ID管理、権限管理、プライバシー、データ保護、ランタイムセキュリティを適用し、アクセスと行動を制御する。
  • Trusted Models:インテリジェントなモデルルーティングにより、各業務に適したモデルを安全に接続する柔軟性を提供する。

また、同時に発表されたAI Control Planeにより、Salesforce製およびサードパーティ製のAIを対象として、検出・登録、IDとポリシーの設定、ライフサイクル管理、パフォーマンス評価、行動と結果のモニタリング、コスト管理までを一元的に行えるようになる。

多様なシステムと連携するオープンなアーキテクチャ

Enterprise AI Harnessは、「Data 360」、「Informatica」、「MuleSoft」とそのAI関連ソリューション「Agent Fabric」、「Tableau」、「Agentforce」、「Salesforce Guardian」、「Salesforce Platform」にわたるコア技術を活用して構築されている。

本基盤はヘッドレス利用を前提にゼロから設計構築されており、MCP、API、Skills、Plug-inといった技術を通じて各機能にアクセスできる。これにより、「Claude」、「Slack」、「Microsoft Teams」、「Agentforce」など、利用者がすでに使っているAI体験へとSalesforceの機能が広がる。これは、あらゆるAIやアプリにSalesforceを届ける「AIforce」戦略を前進させるものとしている。

Salesforceのプレジデント 兼 チーフ・プラットフォーム&エンジニアリング・オフィサーのロハン・クマール(Rohan Kumar)氏は、企業の差別化を生むのは信頼できる固有のコンテキストとそれを安全に行動へ変える力であるとし、Enterprise AI Harnessがそのコンテキストを豊かにしていくシステムであると説明している。

提供時期と展開予定

Enterprise AI Harnessを支える基盤技術の多くはすでに利用可能となっている。新機能と統一されたエクスペリエンスは、2028会計年度(2027年1月-2028年2月)の早い段階から順次展開される予定である。

既存の顧客は、対象となるSalesforce製品のアップグレードパスを通じて利用可能となる。提供時期、パッケージング、価格、アップグレードパスに関する詳細は、一般提供の開始が近づいた時点で発表される予定だ。

本記事はSalesforceの発表をもとに作成。

アクセスランキング

今日

1週間