ヤクルト本社など、シロタ株摂取の男性高齢者で全死亡リスク低下を確認
株式会社ヤクルト本社と地方独立行政法人東京都健康長寿医療センターは、群馬県吾妻郡中之条町に在住の高齢者を対象とした疫学調査を実施しました。その結果、乳酸菌ラクチカゼイバチルス パラカゼイ シロタ株(以下、L.パラカゼイ・シロタ株)を含む乳製品を過去5年間、週3日以上摂取していた男性高齢者において、摂取頻度が週3日未満の高齢者と比べて全死亡リスクが有意に低いことが示されました。本研究の成果は、学術雑誌 The Journal of Nutrition, Health and Agingの2026年8月18日付の電子版に公開されています。
群馬県吾妻郡中之条町の高齢者1,280名を追跡調査
株式会社ヤクルト本社(社長 成田 裕)と東京都健康長寿医療センター研究所(中之条研究)の青栁幸利専門副部長らは、2014年から群馬県吾妻郡中之条町在住の高齢者を対象に、乳酸菌摂取と健康に関する疫学研究を実施しています。
今回の研究では、2014年から2018年にかけて参加した中之条町在住の高齢者1,280名(男性519名、女性761名、平均年齢73.5歳)を対象に、2025年12月31日まで追跡調査を行いました。研究参加時の健康診断やアンケートなどのデータをもとに、過去5年間のL.パラカゼイ・シロタ株を含む乳製品の摂取頻度に応じて「週3日未満摂取群」と「週3日以上摂取群」に分け、全死亡との関連を男女別に前向き解析しました。
男性の全死亡リスクが有意に低下、生存期間も延長
研究参加者1,280名の平均追跡期間は9.3年 (112.1か月)で、期間中の死亡者数(率)は男性147名(28.3%)、女性114名(15.0%)でした。
年齢、BMI、飲酒習慣、喫煙習慣の主要な交絡因子を調整した多変量解析の結果、男性(519名)において、週3日以上摂取群(118名)は週3日未満摂取群(401名)に比べて全死亡リスクが有意に低い値(相対危険度〔ハザード比〕0.648、P=0.030)を示しました。
さらに、背景要因の偏りを調整したマッチング解析においても同様の結果が得られ、週3日以上摂取群では週3日未満摂取群に比べて生存期間が9.8か月有意に延長していました。一方、女性においては多変量解析およびマッチング解析のいずれでも、摂取頻度と全死亡リスクおよび生存期間との間に関連は認められませんでした。
背景疾患の予防効果と今後の展望


これまでの中之条疫学研究では、L.パラカゼイ・シロタ株を含む乳製品の継続摂取が高血圧や貧血の発症リスク低減、便秘(排便頻度週3日以下)の発生率低下に関連することが報告されています。これらの疾患予防が高齢者の死亡リスク低下に関与した可能性が考えられます。
女性で関連が認められなかった要因としては、女性の死亡率が低く追跡期間が十分でなかった可能性や、男性に比べて飲酒率や喫煙率が低いなど比較的健康的な生活習慣を有していることが影響した可能性が挙げられています。


特定の乳酸菌株の継続摂取と全死亡との関連を示した疫学的知見は今回が初めてであり、習慣的な摂取の重要性を示す結果となりました。
論文情報
- 雑誌名:The Journal of Nutrition, Health and Aging (https://doi.org/10.1016/j.jnha.2026.100956)
- 論文表題:Association between habitual intake of fermented milk products containing lactic acid bacteria and all-cause mortality: a community-based cohort prospective study
- 著者:Y. Aoyagi, R. Amamoto, S. Park, K. Shimamoto, T. Suwa, H. Makino, S. Matsubara
本記事は株式会社ヤクルト本社および地方独立行政法人東京都健康長寿医療センターの発表をもとに作成しました。
ビジネスパーソンの課題解決と納得感にこだわるDellows News編集部。キャリア論からAI、健康法まで幅広い分野に対応し、複雑なテーマでも平易な言葉で丁寧に解説。読者が「明日から使える」知識やヒントを得られるよう、具体的な事例・データ・専門家の見解を交えて執筆。情報を整理し、納得感ある記事づくりを心がけています。



