Dellows News

大阪大学、ペプチドシークエンサーを2026年度内に医療機関へ先行提供へ

大阪大学 産業科学研究所の谷口正輝教授の研究グループは、わずか1分子という微量からアミノ酸配列を読み取る国産の次世代「ペプチドシークエンサー」を開発した。2024年のプロトタイプ機完成の発表から約2年を経て実用化に向けた取り組みが進められており、2026年度内に国内の医療機関などを対象とした先行提供(アーリーアクセスプログラム)を開始する。事業化に向けた展開を進め、2029年までの量産化を目指す方針だ。

1分子の電気信号からアミノ酸配列を読み取る独自技術

病気のサインやがん細胞が持つ弱点は体内のごくわずかなペプチドに刻まれているが、DNAと異なりペプチドはコピーを増やして調べることができないため、微量をそのまま読む技術が必要とされる。

谷口正輝教授の研究グループは、20種類のアミノ酸がそれぞれ異なる電気伝導度を示すことに着目した。ペプチド1分子がナノサイズの電極を通過する際の電気信号の違いを利用してアミノ酸配列を読み取る技術を確立し、すでに複数のネオアンチゲン候補ペプチドの配列決定に成功している。

がん治療においては、患者やがんの種類ごとに配列が異なる細胞表面の目印「ネオアンチゲン」を特定することが重要視される。DNAが設計図の情報を読み取れるのに対し、ペプチドからは体内で実際に作られたものを捉えることが可能となる。

この技術により、患者ごとに異なるがんの弱点を見つけて一人ひとりに合った個別化がん免疫療法につなげることや、疾病マーカーを検出して病気を早期に発見し先回りする「先制医療」の高度化が目指されている。

2026年度内の先行提供開始と今後の展望

ペプチドシークエンサーは2026年度内に国内医療機関などへの先行提供を開始し、2029年までの量産化を目指して事業化が進められる。なお、本装置は関連展示会での出展も予定されている。

  • イベント名:BioJapan 2026
  • 会期:2026年10月7日(水)〜9日(金)
  • 会場:パシフィコ横浜
  • 小間番号:A-43
  • 公式サイト:https://jcd-expo.jp/jp/

本記事は大阪大学 産業科学研究所の発表をもとに作成されました。

アクセスランキング

今日

1週間