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三菱総合研究所主催の日本CTX研究会が治験効率化と啓発に向けた2つの提言書を公開

株式会社三菱総合研究所(代表取締役 社長執行役員:籔田健二)は9月10日、主催する日本CTX研究会の第3期活動の一環として2つの提言書を公開しました。海外で承認・使用されている医薬品が国内では未承認で使用できない「ドラッグ・ロス」の解消や、国際共同治験への参加率向上に向けた国内の治験環境整備を目指します。今回公開されたのは「治験現場の効率化加速に向けた提言」と「治験に関する国民・医療従事者への啓発/情報提供に向けた提言」です。

提言発表の背景と日本CTX研究会の歩み

国内におけるドラッグ・ロスの問題に対し、国の会議体でも危機感が示される中、未承認薬における日本のピボタル試験(承認審査における評価の主要な根拠となる臨床試験)への組み入れの少なさなど、国際共同治験への参加率の低さが要因の一つとされています。また、内閣府が2026年7月21日に閣議決定した「経済財政運営と改革の基本方針(骨太方針)2026」では、国際水準の治験・臨床試験体制の整備と国際共同治験の倍増を目指す方針が示されました。

こうした社会課題の解決に向けて、株式会社三菱総合研究所は2023年10月にマルチステークホルダーが参画する日本CTX研究会を立ち上げました。CTX(Clinical Trial Transformation)とは、治験をより効率的・効果的に実施するために治験の組み立て方や運用、通例等の形態を転換することを指します。同研究会は2024年9月に第1期提言書、2025年9月に第2期提言書を公開してきました。2025年10月に開始した第3期では、企業18社、医療機関(大学を含む)5機関、アカデミア研究者14名が参加し、2つの分科会で議論を重ねました。

第3期における2つの提言の概要

今回公開された提言書は、治験実務の効率化と、治験に関する理解促進・啓発を目的としてまとめられました。

DXや分散化臨床試験(DCT)関連技術の導入に伴う医療機関の業務負荷増加や、慣習に基づく過度な品質管理を背景に、以下の3つの提言をまとめています。

  • 業界横断的な議論の場の形成:医療機関、依頼者(製薬企業)、開発業務受託機関(CRO)の対話の場などを形成し、医療機関横断的な「ハブ」と業界横断的な連携基盤の構築を目指す
  • プロフェッショナルとしてのキャリア形成:専門性を評価や処遇・待遇に連動させ、フェア・マーケット・バリュー(FMV)等の考え方を踏まえた費用算定により専門人材の育成とキャリア形成を促す
  • リソースの最適化・体制の効率化:医療機関に共通する事務局業務の統合、パートナー医療機関の医師の治験分担医師化、医師や治験コーディネーター(CRC)のタスク・シフト/シェアにより業務を軽減・効率化する

一般市民や患者が治験情報にアクセスし、理解して判断できる状態を「あるべき姿」と位置づけ、以下の3項目を提言しています。

  • 「あるべき姿」に必要な情報の整理:治験の目的やリスクとベネフィット、参加方法、相談先など自律的な判断を支える情報を整理する
  • 情報へのアクセスに必要な「チャネル」の整理:行政、自治体、民間企業、患者会等の役割を整理し、当事者性の変化に応じた連携型の情報提供体制を設計する
  • 情報提供の動線・連携環境の整理:地域医療連携ネットワークやDCT関連基盤を活用し、かかりつけ医を中心に治験を案内できる体制と実施医療機関への動線を整備する

今後の活動と第4期の計画

今後は第3期提言書を基盤として、関連学会での発表や官公庁、業界団体、アカデミア等との意見交換を進め、具体策の検討を深める予定です。

さらに、2026年10月からの第4期活動では「国内のどこからでも治験に参加できる環境の整備」を目指し、2つの分科会が設置されます。DCTに対応した治験ネットワーク(NW)の再構築に向けた議論を行う「分科会1:症例集積に資する治験ネットワーク(NW)のあり方」と、第3期で整理したチャネルへの具体的な打ち手を深掘りする「分科会2:治験に関する国民・医療従事者への啓発/情報提供」が立ち上げられる予定で、これに伴い第4期会員の募集も行われます。

本記事は株式会社三菱総合研究所の発表をもとに作成されています。

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