ugo、NEDOのGENIAC事業に採択 双腕ロボットのVTLAモデル開発へ
ugo株式会社は、経済産業省とNEDO(国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構)が公募した補助事業「ポスト5G情報通信システム基盤強化研究開発事業/ロボット基盤モデルの研究開発(GENIAC)」に採択された。採択された事業は「双腕セミヒューマノイドによるコンタクトリッチな製造組立作業の自律化に向けたVTLAモデルの開発」である。同社は自社工場での実証を通じて、製造組立作業の自律化に向けた開発を進める。
双腕ロボットによるVTLAモデル開発の背景
日本の製造業では、熟練作業者の減少や多品種少量生産への対応が課題となっており、従来のルールベース制御が中心の産業ロボットでは対応が難しい多様な工程の自動化が求められている。特に力加減など接触を伴う作業へのフィジカルAIの活用が期待されているものの、双腕と製造組立に特化したデータ基盤やVTLAモデルは国内外に類例が少なく、AIロボット実装における空白領域となっている。
本事業では、製造業の組立作業を対象に、視覚(Vision)、触覚(Tactile)、言語(Language)、動作(Action)を統合的に扱う「VTLA(Vision-Tactile-Language-Action)モデル」の開発を行う。

約30万エピソードのデータ収集と垂直統合型の開発体制
本事業では、ugoの自社ロボット製造ラインを起点に垂直統合型の開発体制を構築する。主な取り組みとして以下の点が挙げられている。
- 自社製造ラインを中心に約30万エピソードの製造組立データを収集
- 姿勢・RGB-D映像・タスク情報に加え、触覚情報を統合した高品質データセットを構築
- 触覚データを含むデータ収集キットの開発から大規模データ収集、VTLAモデル構築、双腕セミヒューマノイドへの実装・実証までを国内の自社で一貫して担当
代表取締役CEOの松井 健は、データ収集からモデル開発、実証までを一貫して行う体制が日本の製造現場に根ざしたVTLAモデルを作る強みであるとし、成果をAIロボティクスの社会実装につなげたい旨を述べている。
同社は自社工場での実証を起点に、双腕セミヒューマノイドが製造業の組立作業を自律的に代替する「ダークファクトリー」の実現を目指す。ダークファクトリーとは少人数・省エネルギーで稼働し続ける生産ラインを指し、VTLAモデルと実行タスクの完了を判定する工程チェックアプリの一体化により実現を図る。
日本の製造業では、2040年に生産工程従事者について約198万人の需給ギャップが生じると推計されている(経済産業省「2040年の就業構造推計(改訂版)について」(2026年3月)※製造業における生産工程従事者の需給ミスマッチ)。また、産業部門の電力需要は2022年度の0.32兆kWhから2040年度には0.38〜0.41兆kWh程度へ増加する見通しであり(資源エネルギー庁「2040年度におけるエネルギー需給の見通し(関連資料)」(2025年2月))、産業向け電気料金は2023年度時点で2010年度比74%上昇している(資源エネルギー庁「2024―日本が抱えているエネルギー問題(前編)」(2025年8月))。将来的には他製造業工程への横展開も視野に入れ、国内製造業の生産性向上とGX推進への貢献を目指すとしている。

関連組織・事業概要
GENIAC(Generative AI Accelerator Challenge)は、経済産業省とNEDOが推進する、国内の生成AIの開発力強化と社会実装の促進を目的としたプロジェクトであり、基盤モデルの開発に必要な計算資源の調達やデータセットの蓄積、ナレッジの共有等を支援している。
ugo株式会社の概要は以下の通り。
- 所在地:東京都千代田区東神田1−7−8
- 設立:2018年
- 代表:松井 健
- URL:https://ugo.plus/
- 事業内容:ugoソリューションの開発・提供・運用、フィジカルAIの開発・提供・運用
本記事はugo株式会社の発表をもとに作成。
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