広大発スタートアップが革新的メモリ材料を開発へ、大量消費電力の課題解決を目指す

UntroD Capital Japanが運営するリアルテックファンドは、広島大学発スタートアップの株式会社マテリアルゲートへの出資を実施した。マテリアルゲートは、広島大学大学院先進理工系科学研究科の西原教授が世界初の開発に成功した「単分子誘電体」を電子デバイス材料として事業化するスタートアップだ。

単分子誘電体は、従来の強誘電体と比べて1000倍の微細化が可能で、高い蓄電性能や消費電力低減、不揮発性を有する革新的な新素材である。AI・ビッグデータ時代における大量消費電力の課題解決が期待されている。

マテリアルゲートは2024年の広島テックプランターで最優秀賞とリアルテックファンド賞を受賞。今回、リアルテックファンドほか4社から合計1.6億円の資金調達を行った。調達資金は、単分子誘電体の量産技術やデバイス搭載に要する周辺技術の開発、PoC/実証実験、研究開発員の採用に充てられる。

リアルテックファンドを運営するUntroD Capital Japanの山家取締役は、単分子誘電体の革新性に魅力を感じ、西原教授の長年の研究成果が中野社長のアントレプレナーシップにより社会実装されることを期待し、全力で支援すると述べている。

マテリアルゲートは2023年6月に設立され、単分子誘電体の製造・販売および単分子誘電体デバイスのライセンシングを事業内容としている。

UntroD Capital Japanは、革新的テクノロジーを有するディープテック・スタートアップの社会実装を目的とした「リアルテックファンド」を運用。これまでに運用総額は300億円以上に達している。