新型Toroboのモデルを公開、東京ロボティクスが研究加速へ
東京ロボティクス株式会社は、2025年3月に発売予定の新型人型ロボット「Torobo」のモデルデータを、NVIDIA社の物理シミュレーションプラットフォーム「Isaac Sim」とGoogle DeepMind社のロボットシミュレーター「MuJoCo」で利用可能な形式で公開した。
同社は最先端のロボット技術を追求しており、今回の取り組みは日本のロボット研究を加速させることを目的としている。近年、生成AIによるロボットの動作生成などのAI技術の発展により、人型ロボットの研究開発が飛躍的に進歩している。東京ロボティクスでは、新型Toroboのシミュレーションモデルと使用方法を公開することで、より多くの人々にモデルデータを使用してもらい、ロボット技術のさらなる発展を図る。
公開されたモデルデータは、ハンド付き全身、ハンドなし全身、ハンド単体の3種類で展開されている。Isaac SimとMuJoCoは精度の高い物理シミュレーターとして注目されており、ロボット制御やAIモデルの学習に適している。これらのシミュレーターを使用することで、実世界への応用を目指した人型ロボットの研究開発を加速できる。
また、シミュレーターの豊富なアセットを利用することで、様々なシチュエーションで人型ロボットが作業する空間を簡単に再現できる。ロボットの動作をプログラムすることでデジタルツインの作成も可能だ。今回公開されたモデルデータは、ロボットの形状、軸配置、重さ、可動域を実物と同等に設定しているため、現実に近い環境でシミュレーションすることで、人型ロボットの実機を導入する前に性能を評価できる。
東京ロボティクス株式会社のCEO坂本義弘氏は、「東京ロボティクスは今後も、先進的なロボット技術の開発とオープンな技術共有を通じて、社会に貢献して参ります。ロボット技術を適宜公開し、より多くの人々がロボット開発に参加できる環境を整備することで、日本のロボット産業におけるイノベーションの加速を目指します」とコメントしている。
同社は、新型Toroboのモデルデータを公開することで、AIと連携した人型ロボットの動作生成の研究や、人型ロボットの産業応用の研究を加速させることを目指している。