ドコモ、フィリピンのグリーン基地局実証で太陽光利用効率が61%へ向上
株式会社NTTドコモは、フィリピンの通信事業者であるPLDT Inc.および同社子会社のSmart Communications, Inc.と共同で、フィリピンにおいてグリーン基地局の実証実験を実施しました。ドコモが独自開発した「天気予報連動型リチウムイオン電池制御」技術を活用した結果、太陽光発電の利用効率が実証実験開始前の38%から61%へ23ポイント向上したことを確認しました。

天気予報と連動した電池制御技術を海外で初展開
「天気予報連動型リチウムイオン電池制御」は、日本国内のグリーン基地局向けにドコモが独自開発した技術で、海外での展開は今回が初となります。停電時の通信確保用と通常時の充放電用の比率を固定せず、天気予報の情報をもとにリチウムイオン電池へのバックアップ容量の比率を柔軟に変更して自動運用することで、充放電の損失を最小化する仕組みです。
実証実験では、ドコモが培った制御アルゴリズムを現地の気候や電力事情に合わせて再設計し、発電・蓄電・給電を24時間最適な状態に制御しました。電力需要や天気予報と連動して通信基地局における発電や蓄電、給電の制御をあらかじめ最適化する運用は、PLDT調べ(2026年8月現在)によるとフィリピン初の取り組みです。なお、再設計した制御アルゴリズムに関する論文は、2026年7月にルーマニアで開催されたIEEE共催の国際会議「icSmartGrid2026」で「Second Best Paper Award(優秀論文賞)」を受賞しています。
実証実験は、電力供給環境などの条件が異なるマニラ近郊(商用電源有りのオングリッド局)と、電力供給が不安定な離島であるセブ島(商用電源無しのオフグリッド局)の2拠点に実証用のグリーン基地局を構築して行われました。
各設備と役割分担は以下の通りです。
- 導入設備
- 太陽光発電設備:昼間に発電し、再生可能エネルギーを供給
- 蓄電池システム:昼間の余剰電力を蓄え、夜間や停電時にも安定的に給電
- EMS基盤:電力需要や気象情報に応じて発電・蓄電・給電を制御し、最適化
- 各社の役割
- 株式会社NTTドコモ:グリーン基地局技術およびエネルギーマネジメント技術の提供、計画策定、実証の統括および効果検証
- PLDT Inc.・Smart Communications, Inc.:基地局設備および設置場所、現地電力データの提供、政府や自治体への申請など
節電とCO₂排出量削減で脱炭素化を推進
本実証により、太陽光発電の利用効率が23ポイント改善したほか、蓄電池の設置によってこれまで活用できていなかった余剰太陽光発電量3,905kWhの有効利用を実現しました。
2026年4月から実施したフィールド検証では、電力消費量において前年比600kWh、前月比1,000kWhの節電を達成し、2026年4月から7月までの100日間で累計約2,854kgのCO₂排出量削減を記録しました。ドコモは今後も二国間クレジット制度(JCM)などを活用し、温室効果ガスの削減に貢献する方針です。
なお、本実証で提供されたドコモのEMS基盤は、2026年9月9日(水)から幕張メッセで開催される「Smart Energy Week」に出展されます。
本記事は株式会社NTTドコモの発表をもとに作成しています。
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