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スーダンで国際援助の削減により医療施設閉鎖が相次ぐ MSFが資金確保を訴え

3年以上続く内戦下のスーダンで、国際的な援助資金の削減に伴い各地の医療施設の閉鎖が相次いでいる。国境なき医師団(MSF)は、援助の縮小によって命を救う医療が断たれ、残された医療機関が限界に追い込まれていると訴えている。世界保健機関(WHO)の推計では国内の医療施設の37%が完全に機能停止しており、MSFは各国政府や資金拠出機関に対して保健医療への柔軟な資金提供を求めている。

援助団体の撤退で残る病院に患者が集中

スーダンでは複数の援助団体の撤退が進み、地域の診療所が運営資金や医薬品の不足に直面している。患者は治療を受けるために長距離の危険な移動を余儀なくされ、稼働を続ける一部の病院に患者が集中する事態となっている。

MSFが支援する中央ダルフール州ザリンゲイとロケロの医療施設では、2026年1月から4月の間に入院患者数が前年同期比で22.5%増加した。同州では援助団体の資金不足により、2026年5月だけで45の医療施設への支援が打ち切られるなど、状況の悪化が続いている。

MSFスーダン活動責任者のムハンマド・イブラヒムは、紛争によって人道ニーズが生じている一方で、資金削減によって対応能力が削られていると指摘する。他団体の医療サービスへの資金が失われて診療所が閉鎖されることで、MSFの施設など稼働を続ける現場の受け入れが限界に達しているとして、援助国による継続的で柔軟な資金提供の必要性を訴えている。

世界的な援助資金の縮小と難民キャンプへの影響

トランプ政権が2025年に米国際開発局(USAID)の閉鎖を発表した後、スーダンで活動する多くの団体への資金提供は今年6月に終了した。米国政府は国連人道問題調整事務所(OCHA)などを通じたスーダン最大の支援国であり続けているものの、代替資金を確保できない組織の医療施設閉鎖が相次いでいる。また、欧州諸国や多国間機関でも援助予算が縮小しており、経済協力開発機構(OECD)の暫定データによるとEU機関からの援助は2025年に13.8%減少、世界全体の人道援助資金も35.8%減少した。

資金削減は各地のキャンプにも影を落としている。1万8400人の難民が暮らすゲダレフ州のタネバキャンプでは、今年6月に人道援助団体が撤退したことで産科病棟と外科病棟が閉鎖され、帝王切開が必要な妊婦が最寄りの都市まで3時間かけて移動する状況が生じている。MSFは同キャンプで2026年末まで救急外来の運営を引き継いでいる。

また、同州のウム・ラクバ・キャンプ周辺では、2021年に約35あった援助団体が現在は10団体未満に減少した。約1万7000人の難民が暮らす同キャンプについて、MSF人道問題マネジャーのファブリツィオ・ロクラトロは、MSF病院が難民と地域住民双方の命綱となっているとしつつ、食料配給や保護プログラムの縮小によりセーフティネットが失われていると危機感を示している。

医療か食料かの選択を迫られる住民

MSFダルフール緊急対応コーディネーターのセバスチャン・トラフィカンテは、診療所が閉鎖されても患者がいなくなるわけではなく、遠くの施設へ高額な費用をかけて移動する間に病状が悪化するケースが多いと述べている。

中央ダルフール州のハミディヤ避難民キャンプでは、国際援助団体の支援終了に伴い医療施設が機能を縮小し、1日の受診者数が200人から40人程度に減少、予防接種も停止した。

国連によるとダルフールの労働者の日給はおよそ1米ドルであり、診療所までの交通費2米ドルはおよそ2日分の賃金に相当する。住民は医療を受けるか食料を買うかの厳しい選択を迫られている。

深刻化する栄養失調と資金不足

約50のNGOが活動するタウィラでも、60万人に上る避難民に対して援助は不足している。MSFは地域唯一の200床規模の病院を運営しているが、雨期の本格化を前にマラリアや栄養失調の患者が増加しており、8月には5歳未満の重度栄養失調児191人が入院し、その約22%がマラリアを併発していた。

国連の予測によると、スーダンでは82万5000人の5歳未満児が重度急性栄養失調に陥るとされ、今年前半には1950万人が危機的レベルの飢餓に直面している。しかし、国連の約28億7000万米ドル(約4401億円)の対応計画に対する拠出率は41%にとどまっており、医療施設を維持するための資金確保が急務となっている。

本記事は国境なき医師団(MSF)の発表をもとに作成しました。

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